10月24日、六本木のANAインターコンチネンタル
ホテル東京で開催された「山尾しおり×立憲的改憲 出版記念パーティー」へ。第1部開会の10分前程に会場に入る。閑散としていたので、少し心配になった。その後、たちまち満杯に。メディアの取材も多数入っていたようだ。冒頭、立憲民主党代表の枝野幸男氏が挨拶。「政治家はベストを目指しながら、いかにワーストを避けるかを考える。何がベストであるかについての考え方は、山尾さんと私は殆ど一致している。但し、ワーストをどう避けるかについては、少し食い違いがある」と。第1部はトークセッション。パネリストは以下の面々(発言予定順)。阪田雅裕元内閣法制局長官、井上武史九州大学大学院准教授、伊勢崎賢治東京外国語大学大学院教授、曽我部真裕京都大学大学院教授、井上達夫東京大学大学院教授、駒村圭吾慶應義塾大学教授。登壇予定だった中島岳志東京工業大学教授は欠席(メッセージのみ)。豪華な顔触れだ。今の政界で、自分の集まりにこれだけのメンバーを揃えられる政治家は、与野党を問わず余りいないだろう。山尾議員に明確な「志」があるからこそ、一流のメンバーが集まる。当初は1時間超の予定。でも当然、延長して2時間近くになった。それでも時間が足りない。質疑応答も交え、濃密な時間になった。中でも、曽我部氏の発言が印象に残った。「アメリカの独立宣言やフランスの人権宣言のようなものが、日本には見当たらない。今の憲法の平和主義も、そこまで国民に浸透していない。強いて挙げれば天皇だろうか」と。第2部は立食パーティー。来賓として最初に挨拶をされたのは漫画家の小林よしのり氏。立憲民主党代表代行の長妻昭議員を差し置いて、マイクを握られた。しかも、その内容は…。「立憲民主党は左翼になっちゃいかん。わしは何の為に応援したんだ。旧社会党のような政党になったら国民に見放されるぞ。日本を今の属国状態から解き放つ真の保守として、対米従属で“左翼”の安倍政権と対決せよ!」(高森超訳)というもの。次に挨拶した長妻議員が「叱咤、叱咤、叱咤、叱咤、そしてその後少し激励」と評したような、激烈なスピーチだった。辻元清美議員も挨拶に立った。しかし、山尾志桜里議員ご本人のお礼の挨拶に比べたら、政治家としてはずっとベテランのはずなのに、「小さく」見えた。山尾議員は、子育て問題、皇位継承、立憲的改憲の3つをやるためだけに、国会議員の道を改めて選び直したと、穏やかにしかし気迫を込めて、決意を述べられた。実際に、党内では憲法調査会事務局長、法務部会長、「安定的な皇位継承を考える会」事務局長、子ども・子育てPT副座長などを務めておられる。参加者全員に配られた御礼状(むしろ檄文か)には以下のようにあった。「野党が(国会の)憲法審査会に欠席している光景は、与党にとっては見晴らしのいい景色です。しかし、野党主導で始まる憲法審査会の光景は、与党が物事を見通せない不安を抱かせることになります。もちろん、野党にとっても、ビジョンを提示せざるを得ない状況に身を置く正念場になります。しかし、その正念場で、野党が堂々と憲法を論じ、自立を志向する外交・安保を語り、知的な人権感覚を持ち行動する日本の価値観を発信することができたなら、国民にとって、欲していた新鮮な風が吹くような見晴らしのいい景色を予感させることになるでしょう」と。立憲民主党は「憲法」から逃げてはならない。ワーストを避けようとする余り、ベストに食らい付く迫力を喪えば、国民は本気で支持できない。
結局、ワーストに落ち込む結果になるだろう。