医療現場の「ワークシェアリング」の是非について、門下生ML内で議論になっています。
たとえ顔見知りになったり、仲良くなったりしても、ここはあくまでも公論のための道場です。
議論すべきことは遠慮せず議論し、試合しましょう。
まずは、よしりん先生の意見に反対して、ワークシェアリングを導入すべきだという意見。
医師の世界でワークシェアリングが重要だなと思うのは、緊急時に対応できるという事です。
私は医師の過重労働については、「1人で24時間フル勤務している医師に対しては、3人くらいのチーム制にしてワークシェアリングし、それぞれ8時間勤務にすべき」だと思っています。
こうすれば医師も休めますし、3人位の人数でしたら、患者に対しての密な情報共有も可能です。
何より24時間勤務が可能ですから、患者の緊急時にも対応できます。
日本では、いつ地震や台風で交通機関がマヒして病院に駆けつける事ができなくなるかもしれないのでね……。
(ら~さん)
次に、それに対する反論。
自分自身がその業務に就く労働者だったと考えたら、
或いは、その業務の経営者だったと考えたら、
一見、らーさんの考えが理に叶っているように見えるかもしれません。
たぶんグローバル企業とかもそういうやり方を積極的に取り入れて、
「ウチは働きやすい職場!」とアピールするんじゃないでしょうかね。
テレビのニュースでもたまにやってますよね。
LGBTの人にも働きやすい職場ですよ、とか、
女性にも配慮した働きやすい職場ですよ、とか。
でも、この世にユートピアなんてないんですよ。
木蘭さんのライジングの記事にあるスウェーデンの例のように、
国家全体がイデオロギーを強く打ち出して舵をきったら、
その弊害が至る所に出て来る。
ワークシェアリングっていうのも、体の良い「言い換え語」ってことはないですかね?
首切りを「リストラ」と言ったり、売春を「援助交際」と言ったりするような。
勿論、古い因習は変えていかなければなりませんし、
古い因習による原因だけとは限らず、過労死の問題などもあります。
しかし、そもそも中間層を崩壊させて、
日本の安定した終身雇用制をズタズタに崩壊させたのは、
新自由主義・グローバリズムだった訳です。
医師も労働者、教師も労働者、官僚も政治家も労働者、
だから権利を主張するべき、という流れは、
労働者は常に虐げられていて、
労働者の解放の為に変革を為していかなければならない、という、
左翼の思想が形を変えて今もずっとあるだけなのではないでしょうか。
自称保守の現状維持派・守旧派が推し進めているグローバリズムも、
そういう思想と地続きな気がします。
ワークシェアリング出来るということは、
誰にでも替えが効く、ということです。
つまり、要らなくなったら機械の部品のように捨てることが出来るということです。
誰にでも替えが効かない、その人にしか出来ない仕事があるということは、
効率が凄く悪く見えるところもありますが、
その人が真に必要とされて、業務に欠かせない存在になっているということでもあるのではないでしょうか。
(皿うどんさん)
先ほども書きましたが、この問題は現実を直視したところから出発しないと、話になりません。
必要なのは公論です。机上の空論ではありません。
その上での活発な議論を期待します。