(8月25日午前6時30分配信)に以下のようにある。
『皇室祭祀に公費を支出することは避けるべきではないか』
との懸念を宮内庁幹部に伝えられていることが関係者への取材で判明した」と。
それとも…。だが、この記事には不正確な記述が目立つ。
例えば、大嘗祭は「五穀豊穣を祈る」祭りでは“ない”。
それは、この祭儀が行われる“時期”を見れば、素人でも一目瞭然だ。
これまでの政府答弁では、
「五穀豊穣を感謝し、また、国家、国民のために安寧を祈願する」
祭りとされている(平成2年4月17日、衆院内閣委員会、宮尾盤宮内庁次長答弁)。
豊穣を(これから与えてくれるように)“祈る”のと、
(既に与えられた)豊穣を“感謝する”のでは、全く異なる。
とても宮内庁「関係者」に取材した記事とは信じられない。
大嘗祭は「皇室祭祀令」(明治41年)には収められて“いない”。
従って、大嘗祭を他の皇室祭祀と一律に扱えないのは、当たり前。
こんな基礎的な知識を、やがて皇嗣となられる秋篠宮殿下が、
一世に一度の極めて重要な伝統的皇位継承儀式であるから、
皇位の世襲制をとる我が国の憲法下においては、
その儀式について国としても深い関心を持ち、
その挙行を可能にする手だてを講ずることは当然と考えられる。
大嘗祭の費用を宮廷費から支出することが相当であると考える」
(平成元年12月21日、政府見解「『即位の礼』挙行について」)
性格を有すると見られることは否定できないところでございますが…
その挙行のために必要な宮廷費の支弁による費用の支出といいますものは、
この大嘗祭の公的な性格という面に着目いたしまして支出するものでございますので、
国がそのような観点に着目してそのような限りで財政的なかかわりを持ちましても、
その支出の目的が宗教的意義を持たない、そしてまた特定宗教への援助、
助長等の効果を有する行為であるということは、到底言えないと思います」
(平成2年4月17日、衆院内閣委員会、大森政輔内閣法制局第1部長答弁)
「大嘗祭に宗教的意義を認めて援助するわけではない。
仏像は宗教的なものだが、文化財としての側面に注目して公金を支出している。
これと性格は同じではないが、大嘗祭の公的側面に着目して公金を支出するという
憲法が皇位の世襲継承を要請している(第2条)以上、
皇位の世襲継承に伴って挙行されるべき伝統的な皇位継承儀礼は、
それ自体、憲法が予想し、要請するものと言うべきだ。
今回の毎日新聞の記事は、
さすがに全て捏造という事はあり得ないだろうから、
伝言ゲームと同じように、秋篠宮殿下のご真意が歪んで伝わったのか。