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泉美木蘭
2018.7.3 23:25日々の出来事

カットモデルをやってきた

今日は長年髪を切ってもらっている美容師のIさんから、カットモデルを頼まれて出かけてきた。
海外から集まった美容師たちに2日間特別講習をするそうで、へえ、どんなもんだろうと思ったら、30人ぐらいが集まって、身を乗り出しながらIさんのカット技術を学んでいて、熱気がすごかった。

集まった外国人美容師は、半分くらい「防弾少年団」みたいな髪型だった。やっぱ、アメリカで売れて超ド級のメジャーになったから、髪型もトレンドになってんのかなあ。

大勢にスマホとタブレットを向けられて、じろじろ真剣に見られながら髪を切るってのは、なかなかすごい体験だった。
シャンプーのときなんか、群衆に上からのぞき込まれていて、「なにこれ、あたし、NASAに解剖されようとしてる宇宙人ですか?」みたいな感じ。

Iさんが日本語で解説して、それを通訳する人がいるんだけど、なんだかみんな日本人と違ってすごく自由なんだよね。おのおのしゃべり出して、しまいに通訳の人も混じって勝手に盛り上がっちゃったりして。

芸人のザキヤマそっくりのお兄ちゃんが、Iさんがハサミを入れるたびに
「ビューティフォーーー! カワイイーーー!」
と声を上げて、こっちへ近づきながらスマホでばしゃばしゃ記録写真を撮っていくんだけど、私の後ろにまわって襟足を撮っていたと思ったら、にゅっと腕が前に伸びてきて、なぜか私との2ショットまで撮っていったのだった。
このザキヤマ似のお兄ちゃんは、わざわざ高いお金を払って日本まで講習を受けにやってきて、ハサミ持ってくるのを忘れたらしい。
ハサミのない美容師なんて、ボールのないサッカー選手と同じじゃないの!

なにやら、中国ではヘアカットの料金がものすごく安くて、美容師があまり儲からないらしい。日本で特別な技術とセンスを学んで、特別なヘアカットができる美容師になるしかないんだろうけど、とにかく学費に高額をつぎ込むというのが常識的な感覚で、髪型にはおカネをかけないという国なんだそうだ。
逆に、ニューヨークなんかは、カットだけで300ドル、なんてのが普通らしい。そこまで高いと困るなあと思っちゃうけど…。

Iさんには、20代のときからずっと「お任せ」で毎回サクサクいろんな髪型に仕上げてもらってきたけど、ハサミを入れる角度、髪のすき方ひとつにこんなに微細な計算があったのかと驚いた。
面白い体験だった。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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