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泉美木蘭
2018.6.14 10:42日々の出来事

#Metooの末路「5秒以上見つめるのは禁止」

#Metoo運動で告発者となった女性プロデューサーが所属するアメリカの動画配信会社「ネットフリックス」が、社内でのセクハラ防止ルールを定めたらしい。その内容がすごい。

「誰かを5秒以上見つめるのは禁止」
「長いハグはしない。長く触らない」
「異性とふざけない」
「一度断られたらデートに誘わない」
「同僚の電話番号を聞かない」

5秒ってどうやって定めたんだろうね。
実際に見つめてみて、どんな雰囲気になるのか実験を重ねた結果、カウント4.99まではやらしい気分にならないものだと判明したのか。

私は、相手の話はまったく聞いてないけど、表情や立ち振る舞いの様子をじーっと見て「人ってこういう怒り方するんやなー」とか「完璧主義すぎて表情崩せん性格なんやなー」とか「あれっ、私に気がある?」とか勝手に思ってるタイプなんだけど、そういう人間観察しちゃいけないってことだから、働くことが不可能だ。
真面目な議論したいときも、5秒おきに全員視線をずらさないといけないんじゃ、身が入らないんじゃないの。

長いハグ、長く触るの禁止って、「長い短い」の感覚が受け手によっていちいち違うんだから、もう全面的に禁止にしたらってバカバカしくなるし、異性とふざけられないなんて、もう私には生きられない。
だって女って、ボケてんのかなと思ってツッコミ入れてあげたほうがいいんだろうなーと感じる場面でも、なんか気を遣って流したほうがよさそうな空気があったりするんだよ。なんだろね、あれ。

一度断られたらデートに誘わない、って、そりゃ執拗につきまとう迷惑行為には、きっぱり対処したいけど、気になっている人からのお誘いこそ、あえて一度は断ったりすること、あるでしょ。あんまり軽々しく応じる女に思われたくないなーって。ワンチャンスですべてを決定しなきゃいけないなんて酷すぎるよ。

こんな会社が日本にできませんように。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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