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泉美木蘭
2018.1.28 06:49

ある「訪問診療」への不信感…


90代の祖母のもとに平成29年4月から9月の医療費のお知らせが
届いたそうなのだけど、おかしいから見てくれと、その写真が
送られてきた。
見ると、とある内科から、7月に6回、8月に10回、9月に3回、
外来を受診したとして総額30万円以上の医療費が記載されている。

ところが祖母はその内科には、この10年間一度も通院していない。
もっと言うと、祖母は昨年交通事故に遭って、3月から6月まで
大腿骨を折って入院していて、退院後の7月から10月までは、
ほぼ毎日、母が祖母の面倒を見ていた。
その間、一度も母は祖母をその内科に連れていっていないし、
だいたい、保険証も後期高齢者カードも、なくさないように母が
管理しているから、祖母がひとりで病院へ行くこともない。
なのに19回も外来受診しているなんておかしい。

その医者は、地元では有名な人で、ひとり暮らしの老人のもとを
訪問診療してまわっているとのことで、一部の高齢者にはありがた
がられているようだ。
祖母も、医者に行ってはいないが、たまに医者が訪ねて来ては
いたという。
しかしその「訪問診療」がどんなものなのかを祖母に聞くと、
こちらから頼んだわけではなく、向こうからある日訪ねてきて、
以降、たびたびポストに数日分の薬が入れられるようになり、
その後、ずっと、頼んでもいない薬がいつもポストに勝手に
入っている、ということだ。
確認していくと、
どうも祖母が入院中で不在の期間も、勝手に
ポストに薬が入っていた。

祖母は、別の総合病院にかかって、健康診断などもやっていて、
昨年末も、高齢者なりの老化はあるものの特に薬を飲むような症状も
ない、気休めにビタミン剤なら出せるがどうするか、と医者に聞かれて
断わって帰ってきたほど元気だ。
診察もせずになんの薬を勝手にポストに入れていったのか。
これで3カ月で30万円超の診療報酬っておかしくないか?
ご近所のお年寄りのところへも同じように回っているそうだし、
たまたま今回気づいただけで、過去何年もこの状態だったんだろう。

ひとり暮らしのお年寄りと訪問診療。
たしかに、特に地方にはなくてはならないものになっていて、
制度としても充実させる必要があると思うけれど、
この医者のやり方には不信感でいっぱいだ。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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