ゴー宣DOJO

BLOGブログ
泉美木蘭
2017.12.24 08:49

美術館のこととか

「新堕落論」楽しみだなあ。早く読みたいです。

ライジングの年末企画で読者の方々から寄せられた
「わたくしの人たち」報告を読んでいるのですが、
面白い投稿がいくつもあって、全部は載せられないのがとても
もったいなーい。
来週ひとまず数点掲載しますが、また後日、月に1回ぐらいは
「わたくしの人たち」を復活させて、面白く紹介しようかなと
思います。
今年は、森友、加計、レイプ隠蔽と次々に問題が起きるので、
社会時評だけになっちゃったんだよね。

こんな感じで休日もクリスマスも関係なくまじめに原稿を書いて
いるわたしは、明日もまじめな編集者と取材して過ごすのさ。

昨日は来年から一緒に本づくりをしていただく方々との顔合わせ。
美術評論家のMさんには、海外の巨大な絵画作品を日本に輸送する
プロチームの存在など、面白い話をいろいろ聞かせてもらった。

輸送は、飛行機だと墜落する可能性があるから船で運ぶんだって。
「船も沈没するんじゃないんですか?」と聞いたら、
「海に沈んだのなら回収できる可能性が高いし、修復する技術も
あるけど、空で爆発して燃えてしまったら終わりですからねー」
な、なるほど!

Mさんは日本の文化の貧困をとても嘆いていた。
ヨーロッパの美術館は、常設展が重視されていて、その美術館が
どんな作品を所蔵しているのかが美術館の価値となっているけど、
日本は常設展には興味が向けられず、広告代理店による企画展で
呼び込んでいる状態だと。
そもそも所蔵品を持たない美術館も出てきて、「美術館」という
意味合いが変わってきている、と。

その象徴が六本木ヒルズの森美術館かも。
常設展がないもんね。
「美術に特化したイベントスペース」と考えれば、それはそれで、
ある形だと思うし、いろんな作品を集めて展示してくれるのは、
良いことだとは思う。
現代美術や、若い人の作品を応援するのにも向いている場所だ。
でも、たしかに「美術館」というものの役割を思ったとき、
企画頼みの美術館ばかりになると、
「売上げにならないものは展示できない」
というコストカットの考えに容易に結びついてしまうし、
それは美術館の衰退、文化の衰退と地続きなのだろう。

はじめて「アブサン」というお酒を飲ませてもらった。
グラスの上に穴のあいた装飾スプーンを置き、
そこに角砂糖をのせる。
ガラスのウォーターサーバーから水滴をぴたぴたと
落とし、ドリップする。
薬草のリキュールなんだそうだ。
ペルノみたいな味だった。
はまる人が増えてフランスで一度醸造禁止になった
んだってさ。

お洒落なもんがあるなあ。
全員ばんばんハグで挨拶して、ばんばんハグして帰る、
ラテンのうちの店ではなかなかこの優雅さはないわ。
社会見学した気分で帰宅した。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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