ゴー宣DOJO

BLOGブログ
泉美木蘭
2017.12.17 13:05

私も焦りたくってるねん

切羽詰まってきて金曜日の夜から寝るとき以外ずっと机の前。
ご飯食べながら原稿見て、バナナかじりながらキーボード叩いて。
久しぶりに外へ出てアパートの階段を降りたら、ひざガクガクで、
一段ごとになんらかの小骨がパキパキと音をたてた。
老人! これは老人警報ですよ!

ポストをのぞいたら、なんと朝刊が2日分入っていた。
金曜の朝刊もチラシを挟んだままテーブルの上に投げてある。
余裕なさすぎてまずいなあと思い、顔を洗おうと洗面所の鏡を
見たら、鉄腕アトムと同じ髪型になっていた。

はーーー。
なにかやりはじめると、すぐそれだけに偏る。
そして、やりすぎる。
バランスとれるようになりたい。
いや、言ってみただけ。そんなこと思っちゃいない。

ちょっと休憩して、録画していたNHKの「SWITCHインタビュー」
という番組を見た。
私の大好きなダンサー・菅原小春が、伊勢崎賢治氏と対談していた。
10代のうちからダンサーとして世界中に呼ばれて活躍している
菅原小春が、イスラム圏で過ごした経験を話していた。

自分は短パンにキャミソールのような露出が好きだったけど、
布で全身を覆っている女性が、とても美しくて魅力的で、
女性的な強さを感じたという話が印象的だった。
困っている女性もいるだろうけど、それがすべてではないのでは
と感じた、と。

伊勢崎氏も、世界中の紛争地をまわりながら「女性の人権」という
目線でイスラム圏の女性たちを「解放させる」立場に立つことは
あるものの、「布で覆われているから可哀想だ!」という感覚が
正しいかというとそうではない、と語っていた。
男尊女卑に加担するような発言になるのを危惧してか、
「こんなこと言いづらいけども」とモゴモゴ付け足していた。

たしかに、いまのご時世では、よく言ったほうになるのかも。
アシッドアタックで顔を溶かされたり、鼻を切られた女性の写真を
見たり話を聞いたりすると、あまりにも悲惨すぎると思うけど、
歴史も文化も土地柄も違う人々をすべて「こちら側」の価値観で
ワンパターンに断罪するのは違うだろう、と思う。

ただ、そういった文化の中では、菅原小春のような女性は、
思い切り全身で感情を表現してダンスすることが許されない。
そこにまた対立が出て来るよね、と。
おもしろい組み合わせの対談だった。再放送したらいいのに。

ところで、モンド・グロッソのPV、菅原小春が森のなかで
踊ってて超かっこいいぜ。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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