特別ゲストに高山佳奈子京都大学教授をお迎えし、
そして、サプライズ・ゲストとして急きょ、山尾志桜里衆議院議員に
ご参加いただいた関西ゴー宣道場。
会場の空気が熱く、最初から最後まで本当にエキサイティングで、
有意義な時間だったと思う。
高山佳奈子先生は、刑法学という一般的には難しそうに感じられて、
とっつきづらいイメージを持つ分野の専門家でありながら、
親しみを感じるユニークなお人柄で、わかりやすい言葉で、かつ、
「共謀罪」と「権力の脅威」の深刻さを改めて感じさせられる、
貴重なお話をしてくださった。
共謀罪の国会参考人招致の際、野党側の高山先生や小林先生は直前に
なっての招致であったのに、公明党はふた月も前から「インチキ」の
準備をしており、しかも日本にありもしないドイツの刑法を持ち出し
て国民をだましていた。
刑法の専門家である高山先生に太刀打ちできないとなると、答弁を
させないよう回避していたことなど、ご本人からのお話しは生々しく、
「表現者や私たち専門家がずっと言い続けなければならない」
と何度も強くおっしゃる横顔は非常に印象的だった。
自由は真綿で首をしめるように失われていく。
「最近、すっかりこんな話がしづらい世の中になったよね」
という言葉が出るようになった時にはもう大部分が手遅れ状態。
あの強行採決を「もう決まって過ぎ去ったこと」と忘れてしまっては
ならないと改めて思い直した。
高山佳奈子先生からは、またぜひお話をうかがいたいと感じた。
共謀罪法案と徹底して戦ってこられた山尾志桜里議員は、
その共謀罪廃止法案を提出されるという。
諦めずに戦ってくれる、心強い政治家だ。この共謀罪廃止法案に、
乗る党、乗らない党。これは強力なリトマス試験紙だと思う。
また山尾議員は、共謀罪廃止法案と同時に、安倍改憲案と戦い、
改憲論議を広げるための憲法改正案の準備も進めているとのこと。
天皇陛下の生前退位の時にそうだったように、「やりたい放題」を
阻止するには、やはり先んじて案を出し、議論を起こす必要がある。
「これまではわざわざ憲法に書かなくても、守られていたことが、
安倍首相になって『書いてないから、やるもんね』と守られなく
なった。それなら、書き込んで規定しなければならない」
という山尾議員のご指摘は、時の権力者の私利私欲・自己都合が
堂々と優先される事態になってしまったことを情けなく感じつつも、
このような権力者が出現する事態を経験したからには、国を守るため
にやはり考える必要があると思う。
倉持麟太郎師範の「改憲というと『憲法典』の文字を変えることに
固執しがちだが、真の憲法改正の議論には、国会法や、裁判所法、
規則の話などもっと広範囲に渡って取り上げるべきテーマがあるはず」
という指摘は、その点でもとても重要。
たしかに、これまでの憲法論議は「9条をどうする?」という条文案の
話ばかりで、まるで日本国憲法には9条しか存在しないかのような勢い
だったと思う。
「憲法論議の作法が違う」という言葉は印象的だった。
ゴー宣道場では、本当の憲法論議の作法を示していきたい。
『権力と共謀して何がオモロイねん!?』
今後につながるとても重要な回になったと思う。
そして、このようなエキサイティングな道場の開催にご尽力下さり、
準備設営に奔走してくださった関西設営隊のみなさんに感謝いたします。