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泉美木蘭
2017.5.21 10:55

呪う

毎日新聞が報じた、天皇陛下のお気持ちを読んで本当に申し訳ない
気持ちでいっぱいになるとともに、安倍政権の卑劣さを呪う気持ち
がこみ上げてきた。
毎日新聞:陛下、退位議論に「ショック」宮内庁幹部「生き方否定」

「呪う気持ち」と打ち込んで、こんなこと書いて大丈夫だろうかと、
一瞬
手が止まってしまったことが、ますますムカつかせる。
やはり、呪いの気持ちでいっぱいだ。

天皇陛下はたった一度の人生で、その自由のないお立場にお生まれ
なったことを受け入れて下さり、「象徴とはなにか」を模索しつづけ、
国民のために身を持って示して下さり、祈り続けて
下さっている。
しかもそれを「幸せなことだった」とまで言って下さっている。

人生すべてをかけて、日本の国のこれまでの歴史と、今後の行く末
考え抜かれ、悩み抜かれてお気持ちを話された天皇陛下を、
たかだか数年の権力を謳歌する安倍政権は、公然と侮辱し、全否定し、
「わがままな陛下」という烙印を押した。

陛下、自分ではじめた行為に疲れたから、辞めたいってさ。
 じゃ、辞めていいですよ、一代限りで

安倍政権は、天皇陛下の顔に泥を塗ったのだ。

人生を否定された陛下がお受けになったショック、やるせなさは、
私のような、自由を謳歌して生きる国民にとっては想像を絶するもの
だと思う。

安倍政権は、天皇陛下のご行為に対する、国民の全幅の信頼と敬愛心
がわからない
のか? 

天皇陛下のお姿に感激し、お声をかけていただき涙した全国各地
社会的弱者や被災者の存在を知らないのか?

自分に陛下を敬愛する気持ちがまったくないから、
自分が社会的弱者になったことがないから、むしろ弱者は切り捨てる
つもりでいるから、共感できないのか?

ごく一部の人間たちは、
陛下をはじめ、皇族の方々のご意向に傲然と反対し、訳知り顔で
「万世一系の天皇の歴史」「男系でつないできた貴重な血筋」
などと
言って、女性皇族の人生をないがしろにし、踏みにじり続けた。
男尊女卑の塊、あんなのは日本の癌だ。

「眞子さまの慶事を政治利用するな」?
ふざけるな。
もちろん国民のひとりとして、100パーセントの
笑顔で祝福したい。
ご自分の婚約がきっかけで国民が喧々諤々するなんて、眞子さまの
お気持ちを思えば申し訳ない思いがする。
しかし、眞子さま、秋篠宮さま、皇太子殿下、天皇陛下、皆様が、
一体どんな思いで長い長い時間を、宙ぶらりんのまま待たれていたと
思うのだ。

私利私欲・個人的願望達成のために政治権力を利用する安倍晋三、
その安倍晋三の意思を、天皇陛下以上に忖度し、擁護する政治家に、
そんなセリフを言う資格はない。

「眞子さまの慶事を政治利用するな」
与党がこの言葉を使うことは、
眞子さまの慶事を、皇族弾圧、
民意弾圧に利用していることになる。
民進党は、萎縮させられることなく、正々堂々とするべきだ。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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