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泉美木蘭
2017.5.20 03:30

暴君を育てるな!

加計学園問題に火がついた一方で、塚本幼稚園が事業停止へ、
籠池氏が告訴へ、「いまのうちに森友学園を片付けよう」という
流れがどんどん進んでいる。
国はまともな説明など一切していないし、

「これ以上、籠池から民進党に情報や資料を提供されたら困る」
思っている人間が大勢いるという状態なのに、
籠池氏の容疑が固まって逮捕されれば、その言い分を擁護・解説
しづらい空気ができてしまうだろう。

松井一郎府知事が「ざまあ見ろ」と言わんばかりの顔つきで
記者会見
する姿を見ると、非常に不愉快だ。
そもそも、資金面でもカリキュラム面でも小学校を開設させるには
かなり無理のあった森友学園に、認可適当の答申を出してハシゴをかけ、
支援してきたのは安倍政権の威を借る大阪府じゃないか!

大阪維新には籠池氏の<愛国教育>にシンパシーを感じて支援しよう
とする空気
があったのだ。
さも騙されたかのような被害者づらをしているが、税金の使い道を
にぎる公共の機関が「騙されてたことがわかりましたー」なんて説明
で済むのか、という責任問題があるし、大阪府側の対応や審査内容に
問題はなかったのか、もっと厳しく追及されるべきなのではないのか?

国は値引きの根拠もないのに、森友学園の事情にあわせた契約内容に
むりやり落とし込み、
大阪府は、認可不適当とはっきり遮断するべきだったのに、反対する
良心的な委員たちを押しのけて森友学園に学校を作らせようとした。
しかし「世間にバレたから、片づけたい」。
それが実態
なのだ。

森友学園がそうだったように、加計学園もそのうちに
「いつまでこんな問題で与党につっかかるのか?」という矮小化に
入る人間が出てくると思うが、説明せずに責任とらずに都合よく
逃げ回るから追及するのだ。


疑念を見せれば「証拠を出せ」、
証拠を出せば「怪文書だ」、
怪文書でない説明をすれば「記憶にない」、
散々長引かせて「時間切れだ」。

完全にウソが見え透いている状態なのに、
たまたま、いま権力の座についてるだけの人間の、
厚顔無恥な横暴がまかり通って
いるのが本当に腹立たしい。

「って言っても仕方ないし…」と時間の経過とともに流してしまったら、
暴君がすくすくと育つだけだ。
許したらあかんよ。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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