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泉美木蘭
2017.4.28 08:20

籠池理事長、昭恵夫人に土地交渉を適時報告していた

民進党が開いた森友学園籠池前理事長へのヒアリング、おもしろかった。
冒頭から

「証人喚問で維新の会の下地先生が仰ったように、
 大阪府にもたくさんのハシゴをかけていただきました。
そのご恩に報いるためにも、包み隠さずお話したい」

って、皮肉たっぷりの籠池節が炸裂。

しかし、あの土地の取得に関して、昭恵夫人は、かなりの初期段階から
密接に関わっていたわけだ。
近畿財務局に10日に一度は出向いて交渉していた籠池夫妻、
その都度、適時、その進捗を昭恵夫人に電話報告していた、と。
籠池氏本人と昭恵夫人は2、3分程度の電話が「20回は越える」。
籠池夫人と昭恵夫人になると1、2時間の長電話になって、
その回数も「すこぶる多い」と。

100万円の寄付を受け取った際、昭恵夫人が人払いをした、
その無言の仕草をしてみせたのも生々しかった。

昭恵夫人の名誉校長辞任に関しては、昭恵本人ではなく、
安倍事務所の秘書から「強面の声」で電話があり、
「(昭恵夫人を)おろせ」「FAX流しておくから今日中に顔写真を含めて
外してくれと」と言われ、その後、議員会館の安倍事務所の番号から
名誉校長辞任の旨のFAXが届いた、その通信記録もある、と。
しかも、当の昭恵夫人は、自分が辞任した事実は知らなかったという。
この“昭恵の上の存在からの”露骨な圧力も生々しかった。

さらなる大量のごみの存在が発覚した際には、
近畿財務局・航空局から要望があり、学園の工事を請け負った業者から、
国に対して、8億円値引きの根拠になった資料も提出されていたらしい。
「ここまで処分するなら8億円ぐらい」「ここまでなら10億円ぐらい」と、
様々なケースに応じて撤去費用を推測した資料だったそうだ。
それも残っているし提出できる、と。
さらに、「疑惑の3日間」の9月5日に近畿財務局で行われた会合、
国が業者に対して、ごみを「場内処分の方向で」と指示した議事録も、
籠池氏が、財務省の田村国有財産審理室長に提出していた、と。

その際の音声テープでは、昭恵夫人の名前がはっきり語られていた。
昭恵夫人の関与、そして、学園側の要望に応じて「特例」の値引きが
行われていたということじゃないか。

籠池氏によると、国との交渉時の音声テープはまだ他にもあるそうだし、
そもそも、田村室長と会った時には2人の官僚がメモを取っていたという。
財務省も子供のような言い訳をしていないで、さっさと記録を出すべきだ。
泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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