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泉美木蘭
2016.8.15 15:22

孫消費。ちょ、ちょっと、ランドセルが高すぎますよ!

4月から6月のGDP速報は、+0.2%、ほぼ横ばい。
日銀のマイナス金利政策で住宅ローンの金利が下がったため、
お金持ちの住宅投資は+5.0%と伸びているらしいが、
一般庶民は衣類や食料品の節約傾向が強く、個人消費は+0.2%。
休暇を増やせば消費が増える、なんてことを言っている人もいるけど、
いくら休暇があっても、ない袖は振れないわよ、ばかなんじゃないの。

で、ニュース見ててびっくりしたんだけど、なに、ランドセルって、
こんな8月の夏休みに買うもんだったの?
お盆休みにジジババの家に帰省して、一族でランドセルを買いに来る
客が多いらしく、ショッピングセンターは、夏休み中ランドセルコーナー
の接客人員を増強しているのだとか。
もちろん理由は、ランドセルを買う余裕があるのは、ジジババ世代だけ
だからで、『良いもの』は早く売れてしまうからなんだそうだ。

しかし、見てると、その『良いもの』の値段がやたら高い!
11万円もするブルーに赤のラインの入ったランドセルを孫に背負わせて、
満足げに眺め、ポーンとキャッシュで買ってしまうばあちゃん。
「いま買っておかないとなくなっちゃうから!」
一瞬、景気良かったんだっけ? と勘違いしそうな映像だった。

こういうのを『孫消費』というらしい。
少子化で孫が少ないから、資産のあるシニア世代が、孫ひとりあたりに
消費する額も上がっているのだろう。その消費規模は3.8兆円、と!
あの中国人爆買いブーム(終焉してしまったが)の年間国内消費が、
約2兆円と言われていたから、その2倍近い勢いだ。
企業は、こぞって『孫消費』をモノにしようと乗り出している。

しかし、ランドセルってこんな高かったっけ? 10万こえるもの?
3、4万ぐらいのじゃだめなの?
調べてみると、やはりランドセルの価格は年々高騰しているようで、
2016年の平均価格は5万円ごえ、2年前の1.5倍以上になるらしい。

市場規模も、2010年には350億円程度だったものが、
2016年には600億円にまで拡大。
職人手作りの凝った商品なども登場して、高額商品が増えているとか。

私が子供のころは、赤と黒しかなかったのに、最近は色とりどりだし、
アンティーク調のデザインや、ヌメ革のボストンバッグのような形のものも
よく見かける。
それ、私が背負いたいわよと思うぐらいのオシャレなのもあって、
15万円くらいしたりもするらしいが、孫消費で売れてしまうんだそうだ。
ランドセルに凄まじい格差が生まれつつもあるのかも。

なんだかすごいことになってるなあ。
かたや、その孫を産みたくても、産めないという夫婦が主流になりつつ
あるという状況なのに・・・。

下は、なんだかわからないけどイタリアのトスカーナのタンニンでなんとかした
という17万2800円のランドセル。ネットで販売中。だってさ。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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