先日の、介護殺人特集のNHKスペシャル、録画していたのを
いまやっと見た。
実際に家族を殺めてしまった人々の語る言葉に愕然としてしまう。
母親を殺害した受刑中の息子は、刑務官の監視を受けながらの
取材だけに、やはりいろいろな制約があるのか、
事前に用意した作文を読み上げるような口調で証言していたけれど、
ディレクターに、どうしてあなたが介護をしなければならなかったのか、
と質問されて、ぼとぼと涙を落としながら、
「家族、だから」
と答えた。この一言はひどく重かった。
認知症の母親の介護を妻に任せていたものの、離婚されてしまい、
会社を辞め、82歳の母親の年金をたよりに11年間に渡って
介護しているという51歳男性は、
「手足をつながれて監獄にいるよう」
「自分は介護ロボットのようなもの」
「きつい、というか、もう、たまらない」
と自由のない生活を表現していた。
この男性は、殺人を犯した人達に、なんと声をかけるかと聞かれて、
刑に服さねばならないとか、いろいろあるけれども、
「まずは、『介護が終わりましたね』と声をかけたい」
と答えていた。
綺麗ごとなど言っていられない現実を知る人の言葉がズシンとくる。
介護に関する現状の福祉制度では、こういった問題を支援するには
到底間に合わないという問題定義もあった。
もう1、2回くらい再放送があるはずなので、未見の人は、
チェックしてみるといいですよ。