ゴー宣DOJO

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泉美木蘭
2016.4.5 05:39

個性的な友人と。

きのう、友人と駅で待ち合わせて、たまたま通りがかった店に
入ってみたら、そこでばったり切通先生と出会った。
かなりびっくりした。
世界はこんなに広いのに、出会ってしまう不思議・・・。

友人はピアニストで、一年の半分は海外をツアーして回っている
のだけど、帰国すると特に東京が息苦しく感じると言っていた。
あまりにも情報が多すぎて、なにもしていなくても疲れると。
そして、こんなに情報が多いのに、話してみるとほとんどの人は
似たような受け答えばかりで、自分自身の意見を持たない人が
とても多くて不思議だ、と言っていたのが印象的だった。

「日本人って議論のできない人が多いよね。
反対意見を言うと、すぐに関係ないところで挙げ足とってきたり、
自分のほうが凄い、ということをアピールしてバカにしようとしたり。
『それはそれ、これはこれ』って、冷静に意見を聞いて考えればいい
のに、それができないし、自分の意見も持ってない。
だから外国人にバカにされてしまうんだよね」

たしかに。
反対の意見に対して「自分のほうが凄い」をアピールする人って、
結局、公共の議論ではなくて、自分を飾るための言論しか持たない
のだなと思うし、同時に、なんて幼稚なんだと生暖かく眺めてしまう。
けっこうな年齢の人ほどそういう傾向が高いような気もする。

自意識のための飾りだから、否定されると、まるで人格そのものを
否定されたかのように受け取ってしまい、異様な反応をしてしまうの
だろうな。
「バ、バカにするなぁ! おまえのかーちゃん、デベソ!」という
ガキんちょさが、バカにされてしまうという。
自意識って、自分の内面にとって大事な機会を見失わせるから、
ほんとやっかいだ。

あと、友人がインドで乗ったという人力観覧車の話がやたら笑えた。
動画で見てみたんだけど、男の人が2人ほど観覧車の中心にいて、
モルモットみたいにずっと速足で歩いて回しているのだ。凄すぎる。
しかも結構なスピードで、ほとんど絶叫マシン化しているし。
降りるときは、ゴンドラにつかまって、地上へ飛び降りてるし。
怖すぎる。乗ってみたい。

それにしても、この友人はピアニストとしていろんな経験をしていて
うらやましい人だ。
世界中の街角へピアノを担いで行ってストリート演奏をするところから、
CD発売やコンサートツアーに繋げていった人で、
いつだかは、「ストリート演奏をする」と言って、なぜかイタリアの火山
の上までピアノを担いでのぼり、強風のなかで激しく弾き狂っていた。
どんだけピアノ演奏への情熱が凄まじいんだと思うと同時に、
この人一体なにやってんだ、と笑ってしまった。
がんばれ!

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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