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泉美木蘭
2015.9.4 07:33

ミヤネ屋に安倍首相が出ていた

テレビをつけたら、『ミヤネ屋』に安倍首相が出てきて、
宮根誠司のとぼけた進行で安保法制について語り出した。
もともと森本敏がコメンテーターをやっている番組だから、
基本的に安倍ちゃん応援系なんだろうけど、
わざわざ大阪の読売テレビまで出向いて『ミヤネ屋』?
もっと他に出たほうがよい番組あると思うけど。『報道ステーション』とか。


集団的自衛権について、宮根誠司が安倍首相にむけて基本的な質問を
ぶつけるのだけど、
それに対する安倍首相の説明が、ほとんど何を言いたいのかわからず、
一生懸命聞いてみようとしても、6割ぐらいしか意味を解読できなかった。
煙に巻こうとしているというより、しゃべっている自分自身が、
何を言いたいのかわかっていない、核心を掴めないままとにかく口数を
飛ばしているので、語順がちぐはぐして聞きづらくなっているのだ
安倍首相は、「法案を通すための屁理屈」を鵜飲み丸飲みしているだけ。
論理が完全に破綻したままだから、他人に対して、
わかりやすく噛み砕いて、
自分の言葉で伝わるように説明することができないのだ。

そして、意味を解読できた部分も、到底、理解はできない。


「集団的自衛権の行使容認で、日本とアメリカが対等になる」

はあ!? 一体、どー考えるとそーなるの?


「日本は、アメリカに対して、沖縄の方にご負担いただきながら
貴重な貴重な基地を提供している。だから、既に対等なのですが…」

は、はあ!?
「主権を犯させて対等」!?
貴重な貴重な土地を、自国民ではなく、他国の軍隊に提供しつづける
という
行為は、完全に見下されて、こびへつらってこそできる奴隷行為
だと思うんですけど。



「集団的自衛権で、この対等な関係がより強固になる。
アメリカから戦争に来てくれと言われても、断ることができる」

なにそれ。じゃあ別に集団的自衛権の必要ないじゃん。
正しくは、
「属国状態がより強固になり、自衛隊は世界最大の米軍外人部隊になる。
アメリカから戦争に来てくれと言われたら、断れなくなる」
・・・の、まちがいですよね、首相。

「後方支援によって自衛隊員が攻撃される可能性があるというが、
武器弾薬は、もし敵に獲られたら逆に使われてしまう危険なもの。
だから、武器弾薬の輸送は、もっとも安全な場所で行うので大丈夫。
それに、もし、武器弾薬をとられてしまうような状態になれば、
すぐに撤収する」

あの……武器弾薬を奪われるよーな状態になってたら、
もう撤収しても遅いと思うのですが。撤収こそ死を意味するのでは…。
それにそもそも、武器弾薬の輸送はもっとも安全な場所で行うって、
その「安全な場所」を潰しにかかるのが戦争だと思うのですが。


しまいには、宮根誠司に乗せられて、笑いながらのトークになり、
「一緒に食事に行きますか」「えっ、行きましょう!」
なんて状態に。
お茶の間の主婦の人気者を懐柔して見せようという軽薄な下心が
プンプンにおってきて、イヤらしすぎて不愉快になった。
泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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