昼食をとりながら、何とはなしに情報番組を見ていたら、
「小中学生向けの宿題代行業者」が、夏休みの追い込みで
ただいま大忙し!!
なんていう話をやっているので、度肝を抜かれた。
ためしにネットで検索してみると、ぞろぞろ出てくる。
<小学生の宿題代行 平均料金>
問題1問 ・・・・・・ 500円
英文翻訳 ・・・・・ 1文50円
ドリル1冊 ・・・・・ 7,000円
作文 ・・・・・・・・・ 3,000円(400字詰原稿用紙1枚)
読書感想文 ・・・ 20,000円
絵日記 ・・・・・・・ 3,000円(1日あたり)
ポスター制作 ・・ 20,000円
立体工作 ・・・・・ 10,000円
植物観察 ・・・・・ 応相談
自由研究 ・・・・・ 応相談
中学生、高校生になると、英文が100円、150円と値上がりし、
作文やポスター制作も高額になっていく。
ほとんどはネットで注文を受け付けて、業者の雇っている
学生アルバイトに分配。
みんなで手分けして徹夜し、納品するのだそうだ。
小学生向けの朝顔の観察日記は、どこかの誰かが実際に育てた
朝顔の写真つきらしい。
「当社なら、絵の宿題を美大生に振り分け」
「某有名少年誌で受賞経験のあるスタッフが総監修」
なんつう、ふざけた売り文句を踊らせている業者もあった。
大学生のレポート、論文作成代行まである。
ある宿題代行業者は、24時間365日ネット相談可能。
子供が実際に書いた作文などをスマホで撮影してメールで
送ると、その筆跡に似せた字で仕上げられた宿題が、
指定期日までに納品されるのだそうだ。
日記の場合は、まず家族構成や子供の性格を聞き取り、
その後、その日のだいたいのネタをメールで送ると
(「祖父と海水浴」「同級生とディズニーランド」等)
その子供が書きそうな日記に仕上がってくるらしい。
ドリルも作文も、急に学力が上がったと思われないように、
完璧には仕上げず、ちょいちょい間違えた回答や誤字脱字も
巧妙に混ぜ込むので、教師が見破ることはほぼ不可能らしい。
そこまでして子供の宿題を金に換えるなんて、気が狂ってる。
でもさ、子供の小遣いじゃ、こんなのとても頼めないだろう、
どこの子供が利用するんだよと思ったら、
注文するのは、親なのだそうだ。
「宿題が多くて子供がかわいそう」
「うちの子は勉強より部活動が向いている」
「宿題をやる時間を、家族の旅行に当てたい」
「毎年、親が代わりにやっている。この値段なら頼みたい」
「塾通いが忙しいので、学校の宿題はやっていられない」
信じがたい、狂った理由ばかりが並ぶ。
いやいや、そりゃね、「宿題を代わりにやる」ってのは昔からあること
だったよ?
私だって、小学6年生の夏、4歳下の弟の漢字ドリルを代わりにやって、
筆跡からあっさり先生にバレて、
「字が綺麗すぎる。お姉ちゃんと来なさい!」と呼び出され、
姉弟ともども、どえらい勢いで叱り飛ばされた思い出がある。
いけないことをしたと深く反省した。弟ももちろん反省したんだろう、
いま、弟のお嫁さんは、
「彼、あまりにも真面目で会社でもよく表彰されているんです・・」
と、私たちの知らない姿を惚れぼれ語ってくれている。
大学生になれば、ノートを写させてもらうとか、代返するなんてのも
よくある学生のバカ話になってくるけど、
『小中学生の宿題を、業者に頼んで金で解決』となると、
もう話が常軌を逸してるだろう。
子供たちに詐欺の世界を教え、
「面倒なことはネットと金で解決すればいいんだ」と教育する
宿題代行業、少子化で私塾を閉じた塾講師などが開業する例が
多いとかで、毎年春先には予約が入りはじめ、夏休みに入り、
多いとかで、毎年春先には予約が入りはじめ、夏休みに入り、
8月になると請け負いきれずに断る業者が増えるほどの盛況ぶり
なのだそうだ。
終わってるよ。