ゴー宣DOJO

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泉美木蘭
2015.8.11 18:25

頭に来る!気楽に一部をつまんで謗る人間

昨夜の生放送は、システムの不具合があったようで、
いつものように途中から有料放送に
切り替えることができず、
全編無料放送となりました。

放送中、前回のゴー宣道場で、会場の女性から

明日死ぬかもしれぬ戦場の兵士の性欲を鎮めるために
国営の慰安婦というものを考えてもいいのではないか、
高給ならばその仕事を望む女性もいるのではないか?

という発言があったことについて触れたところ、
途端に「きもい」だの「媚びてるんだその女」だのと、
はなしを最後まで聞かずにコメントを書き込む人がいた。
無料放送だから質の悪い人が混じっても仕方ないんだろうな、
はなしもとっ散らかるしな、と思ったので、黙ってスルーしたけど、
寝しなに布団のなかで思い出して、ムカムカしてきた。
だから起きてパソコンつけた。

ふざけるんじゃねえ!!!
そーいう書き込みするやつが、ツイッターのたった140文字を、
単なるその瞬間の反射で「なう」することしかできない、
虫のような、それも虫に失礼な、短絡脳みそなんですよ!!!


たしかに偏見を持たれやすい意見かもしれないけれど、
道場の議論の中では、
いつ死ぬかもわからない狂乱状態に
ならざるを得ない戦場で、
生存本能、種の保存への
渇望から、平常時以上に強烈な性欲を
感じてしまう
兵士のサガ、精神状態を慮る場面、

戦場現地の女性をレイプしてしまう兵士がいる実態、
未成年の少女を監禁して慰安婦にしてしまった実態、

米軍の女性兵士が、実は、戦地で同じ部隊の男たちから
毎晩のようにレイプされ、慰安婦として扱われていた事実など、

「戦場での性」という問題がいかに苛烈なものかを、
男女ともに、見て見ぬふりせずに考え、意見を言う
という時間が生まれ、そういった場に、勇気を振り絞って
挙手した女性が、何者にも縛られない意見として発言したものでした。


たしかに、小林よしのり先生がおっしゃったように、
女性の人権が声高に叫ばれているいまの世界で、
国営の慰安婦は無理だとは思う。
そもそも、現実にはどれだけ必要とされていたって、
性を売る職業についた女性は、一生どこかで、
誰かに罵られるし、確実に偏見の目で見下されます。
男からも、女からも。
面と向かって凄いこと言ってくる人だっているからね。
こんな人、ネットの中だけだと思ってたー! というような。
わたしは近所でビラ配られたこともある。
女性の地位向上を標榜している人ですら、実は心の底では
見下しているんだなという本音が伝わってくることもある。
でも、それは当たり前の、仕方のないことで、
どうしたって「タテマエ」でしか収められないことだと私は思っていて、
だから、みんな、徹底的に、隠したい。
大抵の風俗店は、他人に勤務内容を知られないように、
親会社に「飲食」や「人材派遣」の部門を置いて、
そこから給与明細を出してやるなど、うまくやっている。
そういう実態を考えても、国営=公務員=税金となると、
ますます無理な面があるだろうなあと思う。

それでも、右見て、左見て、誰の目をも恐れずに、
タテマエを引き剥がして発言したということ。
そこに、どんな凄みがあるのかということを考えずに、
気楽に一部をつまんで謗る人間には、
本当に頭に来る。
泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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