伊勢崎賢治氏が意味深なメッセージを発信している。
「『理論的に正しいことと、今やるべきことは別?』
冗談じゃありません。間違った理論でやって成果が上がっても、
そうやってつくられた運動の「権威」は、運動の「支持」の
手前、間違った理論を自ら正すことにはならないからです。
やるべきことは正しい理論の下に結集することです。
山尾しおりさんの立憲的改憲を応援します。」
どうやら左翼運動家が「山尾氏の立憲的改憲は安倍加憲の
露払いにしかならない」とか、「安倍加憲を助けてしまう」
という主張で、まず立憲的改憲を潰そうとしている動きに
対して、伊勢崎氏は異議を唱えているようだ。
まったく不思議なのは、左翼運動家の敵意は安倍加憲に
向かわずに、立憲的改憲に向かっていることである。
「正しい理論」を潰して、安倍加憲への「反対運動」だけに
情熱を燃やしたいらしい。
「発議」されたら終わりだということが分からないの
だろうか?
こんな左翼運動家の「反対のための反対運動」に、まさか
枝野幸男代表までが影響されるとは思わないが、最近の
枝野氏の発言はもはや意味不明の域に達している。
枝野氏は国会の場で、集団的自衛権を解除した安保法制を撤回
させることができると思っているのだろうか?
あるいは安倍政権が憲法改正のために、安保法制を自ら撤回
するとでも思っているのか?
無理なことを理由にして、安倍政権下の憲法論議には乗らない
というのは、まるで駄々っ子だ。
「いやだ、いやだ。憲法論議に乗ったら、我が党の支持者・
左翼運動家が怒ってしまう。立憲主義より、今の支持率
10%だよ――――お。」と言っているようにしか見えない。
「正しい理論」と「今の政治的立場」を秤にかけて、
「今の政治的立場」を選ぶべきだという考えに、枝野氏が
傾いているなら、それは「立憲主義の放棄」である。
政党のアイデンティティーを捨てている。
10%の支持率をさらに伸ばして自民党に対抗するには、
戦う新党に変貌しなければならない。
今のままでは立憲民主党はまったく新味のない、保守と
いうより「左翼保身政党」に成り下がっている。
面白くもおかしくもない政党なので、若者が自民党を
支持するのは当然だろう。
伊勢崎氏の指摘は正しい。
「やるべきことは正しい理論の下に結集することです。」
全くその通りだ。