ゴー宣DOJO

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倉持麟太郎
2018.1.10 05:45

ゴー宣道場と駒村憲法学ー法律家共同体と国民をつなぎ昇華させる

年初から、安倍総理は再度改憲への意欲を見せた。

 

各紙の紙面では、世論調査の数字が躍るが、憲法論の「中身」は世論調査がどう出ようがブラッシュアップしていかなければならない。

 

 中身を措いても、護憲派が国会前に数万人集めることに躍起になる間に、日本会議系の署名は1000万人ほぼ集め終わった。すなわち、この1000万人は必ず安倍改憲の投票で「賛成」を投じに行くだろう。最低投票率のない国民投票で、少なくとも1000万票という安倍改憲への固定賛成票が存在する。

この事実の重たさと、安倍改憲サイドの柔軟さには驚く。

従来の「改憲派」には、9条2項削除しか存在しなかったにもかかわらず、9条2項を改変しない完全な“亜種”ともいえる「自衛隊明記」論に完全に乗り換え完了しているのだ。ここで紛糾などしない。内ゲバもない。なぜなら、勝てるから。

もちろん、これは両サイドへの皮肉だ。

 

憲法論議を真正面から展開するためには、もちろん我々一人一人の意識とともに、法律家共同体、すなわち法曹や学者の専門知が結集される必要がある。

日本が誇る憲法(及び周辺学問領域)についての専門知を幅広く吸収・発信し、それを我々個人一人一人に浸透させるブリッジ(架橋)、プラットフォームを多元的に構築しなくてはならない。

誰しもを「改宗」させるようなことは必要ないし、害悪だ。立場が違ってもそれを認めながら、同じ獲得目標に向かって戦略的に進めば良い。議論や意見交換やその“狙い”も聞くことなく「おまえの改憲論は敵を利するだけだからやめろ」と強いる(迫る)のは、明らかに人間的にも知的にも戦略的にもおかしな態度である。少なくともリベラルな態度ではないことは間違いない。

多数が熟議をしてたどり着いた結論に1人で達することは極めて困難である。だからこそ「みんなで決める」民主主義の意義がある。民主主義は、「みんなで」「決める」という2つの要素があるが、大事なのは「みんなで」の部分である。ここには、先鋭的な利害対立があっても、熟議をする、という含意がある。ただ多数で「決める」ことが重要なのではない。それは民主主義ではなく「多数決主義」だ。

そろそろ新しい大人の熟議を始めたい。

 

2018年はゴー宣道場がそのような役割を果たせるかがキーになる。

 

そんな2018年道場一発目に登壇いただくのが慶應義塾大学の駒村圭吾教授である。

駒村先生は、公私ともにスキャンダラスな倉持の人格形成責任を負う、とまでは言えないまでも、慶応の授業等で大学時代から様々なご指導をいただいた先生である。

 大学三年生のときに、駒村先生の「演習」という授業で、私は憲法学のダイナミズムや、深淵な世界観を知った。社会のほとんどすべての多数派がどんなに同じ決定をしたとしても、それが自分の構想する善き生を否定するものであれば、そんな社会的決定をも覆せる「切り札」として、自己の譲れない一線を守るのが「人権」である、ということを教えていただいたのが駒村先生で、私の出発点はここだ。

 駒村先生の授業では、『ジャーナリズムの法理』という先生の著書(嵯峨野書院)と判例をもとに、日米の表現の自由とメディア、言論法について研究を行った(『表現の自由1(状況から)』『表現の自由2(状況へ)』尚学社)。ジャズや映画にも非常に造詣が深く、文章、音楽、絵画、写真、そしてマスコミ、表現者の自由について憲法を通して再考したのも、このときからだ。

 また、授業では、学生の報告のレベルが低いと授業強制終了!ということもあったりで、厳しくフェアな先生だった。今でもお会いすると緊張する。しかし、こちらの緊張をよそに、先生はいつもふざけている。

駒村先生はプリンストンやハーバードにも在籍された経験もあり、アメリカ憲法の比較研究でも権威である(『アメリカ憲法の群像』尚学社)。昨年末も、ハーバードのシンポジウムに招聘され、日本国憲法9条について報告をされている(この内容については、朝日新聞の言論サイトWEBRONZAに寄稿されているhttp://webronza.asahi.com/politics/articles/2017111900001.html

 近時は、9条や安保法制についても法律雑誌、著書、新聞等で頻繁に発言されており(『論究憲法』「7.1閣議決定と集団的自衛権行使の限定的容認」有斐閣、『安保法制の何が問題か』「安保法案と“9条の環”」岩波書店)、憲法改正論議でも学会での非常に幅広い意見の在り様の形成をリードしている(『憲法改正の比較政治学』弘文堂)。

今回も、先生が憲法改正や9条についてどのように考えられているかを聴けるのが今から楽しみだ。個人的に、私は先生の話は面白くて大好きなので、皆さんも楽しみにしていてほしい。先生の語り口には、憲法を語る者の人間的な幅の広さと寛容さもそこに看取できると確信している。

 

何より、駒村先生は「研究者」である。

運動家・活動家でもコメンテーターでもタレントでもフィクサーでもない。

体制や権力や華やかな場や日の当たるところに媚びない。

先生がよって立つのは真理探究への意志、それだけである。

 このような純・研究者である駒村先生を本年一回目の道場にお呼びできたことは、道場が非常にレベルの高い、かつ国民との懸け橋になる憲法論議をスタートさせる契機としてこれ以上の船出はない。憲法改正について、どこでも聞けない最先端かつ生き生きとした議論はここでしか聴けないだろう。

 先生との関係で書きたい(書けない!)ことはたくさんあるが、それは、当日のお楽しみに。

「憲法9条の命運

平成30年2月4日(日)午後2時 から
『人事労務会館』 にて開催します。

「人事労務会館」
(住所:東京都品川区大崎2-4-3 )は、
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線
『大崎駅』 の 北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。

毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。

人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

69回「ゴー宣道場」のテーマは『憲法9条の命運』
である。

特別ゲストは慶應義塾大学法学部教授・

駒村圭吾氏である。

いよいよ本格的な憲法学者の登場となる。

 

駒村教授は恐るべき学者で、安保法制についてこのように

述べている。

「安保法制とそれをめぐる議論を憲法学者が『違憲』と

見ているのは、九条に反する違憲行為であるという意味と、

憲法を尊重し擁護する姿勢に欠け、さらにそれを毀損する

言動を繰り返すという反立憲的な態度を政権与党が
取り続
けているという意味の二種がある。」

 

さらにこうも言う。

「未完である“九条の環を完結させるには、
憲法改正
あるいはそれに匹敵する熟議が不可欠であり、
それを
伴わない“戦後レジームからの脱却”は白昼夢に
終わる
だろう。」

ちょっと興奮する分析で、ここまで言ってくれる学者が

いたのなら、早く教えて欲しかったと思う。

 

もちろん山尾志桜里議員も登壇する。

 

参加申し込みの締め切りは124日(水曜)

あと2週間しかない。

「未完である九条の環を完結させる憲法改正に
向けた
熟議」を「ゴー宣道場」でやろうじゃないか!

戦後初の憲法に関する国民的熟議が始まるぞ!

改憲派も護憲派も応募せよ!

当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。


参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
絵文字:重要絵文字:パソコン

上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい絵文字:重要絵文字:メール

申し込みフォーム

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ご注意ください絵文字:重要


申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。

当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。
プリントアウトができない方は、当選メールの受信が確認できるもの
(携帯電話、タブレット等)をお持ちの上、ご来場ください。

 道場参加申し込みフォーム

応募〆切 は 平成30年1/24(水) です。

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ



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倉持麟太郎

慶応義塾⼤学法学部卒業、 中央⼤学法科⼤学院修了 2012年弁護⼠登録 (第⼆東京弁護⼠会)
日本弁護士連合会憲法問題対策本部幹事。東京MX「モーニングクロ ス」レギュラーコメンテーター、。2015年衆議院平和安全法制特別委員会公聴会で参考⼈として意⾒陳述、同年World forum for Democracy (欧州評議会主催)にてSpeakerとして参加。2017年度アメリカ国務省International Visitor Leadership Program(IVLP)招聘、朝日新聞言論サイトWEBRONZAレギュラー執筆等、幅広く活動中。

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