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小林よしのり
2018.1.5 03:15日々の出来事

改憲論議を急ぐなは欺瞞である


2020年施行が安倍首相の憲法改正のタイムスケジュールだ。

だが2019年は430日に天皇陛下の退位と、51日に

新天皇即位がある。

19年は静かな環境でなければならない」と首相周辺は

言っていて、憲法改正「発議」や「国民投票」は難しい。

 

やはり今年、通常国会を大幅延長して「発議」か、秋の

臨時国会での「発議」しかないだろう。

そして退位前の2019年冒頭に「国民投票」の線が濃厚に

なってきた。

希望の党と維新の会は、まず安倍改憲に賛成する。

そこに引きずられて公明党も賛成する。

 

立憲民主党の枝野幸男代表は、安保法制を前提にした

「自衛隊明記」は「自衛権の拡大につながる」と批判して

いる。もちろん、その通りだ。

「集団的自衛権」が拡大するのは間違いない。

 

だからこそ、山尾志桜里案である「自衛権の明記」

「自衛権の統制」が必要であり、「個別的自衛権」の拡充

が断固として急がれる。

 

枝野代表が「立憲主義の貫徹としての憲法改正」に対し、

煮え切らないのは、党内に護憲教条主義の者たちを抱える

からだ。

彼らは現憲法の「文字」を信仰するカルトである。

現憲法の平和主義という「精神」はすでに、安保法制で

崩壊しているのに、まだそれが分かってない。

「信じたいことしか信じない」という「ポスト真実」の

病は、安倍信者にも、護憲信者にも、蔓延している。

 

東京新聞は「改憲論議急ぐことなく」と社説で主張する。

だが、国民が「今こそ改憲を」と叫び出した時は、

もう遅い。

日本が米国の侵略戦争に巻き込まれてからでは遅いのだ。

政治家やマスコミや言論人などには、世論を喚起する

役割りだってある!

朝日・毎日・東京新聞に言いたいが、「人治主義」に

堕ちた現在の国内政治環境を、「法治主義」に是正する

意欲がなければ、安倍政権を批判する資格がない!

 

法の力を信じるか否かが試されている。

我々「ゴー宣道場」は、政党が何を考え、どう動こう

とも、動じることはない。

「立憲主義」を貫徹する「護憲的改憲」の国民運動を

起こすつもりだ。

 

山尾志桜里議員を国会への切り込み隊長として、我々は

大いに利用する。

参謀・倉持麟太郎には、憲法に関するアドバイスを、

徹底的にやってもらいたい。

わしは、わしの発信力で、猛烈に戦うつもりである。

 

わしと高森氏は「保守」の立場から、山尾・倉持が

「リベラル」の立場から作る新憲法案をチェックして

いくことになるだろう。

保守とリベラルをアウフヘーベンさせた新憲法を世に

問うていくことになる。

権力が作る憲法ではなく、国民が作る憲法を目指そう!

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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