産経新聞(11月10日付)に拉致問題を巡り、
拓殖大学海外事情研究所教授で特定失踪者問題調査会代表
の荒木和博氏の論説が掲載された。
「トランプ大統領が来てどんな約束をしても、
米国に日本人拉致被害者を救出してもらうことはできない。
自分でやるしかない」
「日本政府はこれまでの流れでいけば、
憲法を盾にしてどこまでも米国任せにしようとするはずだが、
それで済むほどことは簡単ではない」
「自衛隊は邦人保護のために外国へ行く場合、
相手国の承認を必要とすることになっている。
だからどんなチャンスが訪れても、現状では
救出に行くことは不可能である」
「拉致被害者家族に対して『法律上助けることができません』
と面と向かって言えるのなら言えばよい。
…できるかのような幻想を抱かせるよりは誠実といえるだろう」
「安倍晋三首相は北朝鮮有事に対処するための解散だと言った。
それならば選挙に勝った以上、しっかりと対処しなければならない
はずである」
「本来、トランプ大統領に拉致被害者家族を会わせる
というのは恥ずかしいことだ。
『拉致被害者の救出は日本がやります。米国も協力してください』
と言うべきである」
これらはどれも正論。
拉致被害者を救出できない自衛隊を、
“そのまま”憲法に書き込もうとしているのが、
安倍氏の加憲論だ。
それでは「幻想」を振り撒きつつ、
ひたすらアメリカを頼りにするしかない。
但し、この論説が載ったのは同紙の「正論」欄ではない。
敢えて“異論”を紹介する「iRONNA」欄という辺り、
いささかトホホな感じ。。
それでも勿論、掲載しないよりはマシだ。