緊迫する北朝鮮情勢。
以前から12月末か来年1月早々には
「開戦」の可能性があるとの情報が流れていた。
その後、それを11月に前倒しする情報もチラホラ。
10月10日には、小野寺防衛大臣自身がカメラの前で、
11月中旬(!)にアメリカのトランプ大統領が、
圧力の効果を見極めた上で「厳しい対応を取る可能性」に言及した。
北朝鮮は既に“レッドライン”を越えたと見られる。
アメリカ本土に届くICBM(大陸間弾道ミサイル)
「火星14」(今年7月4日に初めて発射実験)に加え、
それに搭載可能とされる「水爆」核弾頭(同9月3日に実験)
を完成させた可能性がある。
それが事実ならどうなるか。
「アメリカが北朝鮮の指導部と領土を攻撃するのを、
抑止する能力を手に入れた」(アンキット・パンダら)
「もはや北朝鮮問題の主導権を握るのは北朝鮮自身だ」
(河東哲夫氏)
ーなどの指摘が現実味を帯びる。
だから、アメリカが北朝鮮に自分の意志を押し付けたいなら、
時間は限られている。
今から来年1月にかけての間のいつか(例えば11月中旬)
に開戦しても、不思議ではない(正確には、国際法的には
終結していないままの朝鮮戦争の続きか)。
その場合、米軍基地を抱える日本に向けて、
北朝鮮のミサイルが撃ち込まれる可能性は高い
(そのミサイルに核弾頭が搭載されているケースも勿論あり得る)。
逆に、それが無ければ、もはや事態収拾の「主導権」は、
北朝鮮に移ったと判断せざるを得ないだろう。
北朝鮮が「抑止力」を獲得した、と。
いずれにせよ、「対話か、圧力か」という
“牧歌的”な二者択一の局面は、既に去ったと見なければ
ならないだろう。
「戦争か、譲歩か」こそ、
切実に問われているのではないか。