朝鮮「有事」がかつてない現実味を帯びつつある。
具体的にはどんなシナリオが想定されるのか。
拓殖大学教授の川上高司氏は次のように語っている。
「(ハードランディング路線だとすると)
一番可能性として有り得るのが北朝鮮に挑発されて
韓国軍が我慢できずに手を出してしまい、
それに対して一気に報復に出るシナリオです。
そうすると北朝鮮はまず韓国を狙うと考えられますが、
ソウルのアメリカ人も犠牲になり、アメリカも反撃することに
なります。
ただその反撃までに時間がかかると、
北朝鮮の攻撃を日本も受けてしまう可能性もある。
もしかしたらそれが核かもしれない。
迎撃ミサイルはほとんど用をなさない可能性が高く、
被害は甚大です。
さらに国内にはすでに北朝鮮の特殊部隊が入っています」
聖学院大学教授の宮本悟氏の指摘はこうだ。
「北朝鮮はものすごく警戒心が強い国なので、
攻撃に対してそれなりの対策をとっている…例えば北朝鮮の基地は、
山の地下千メールのところに作ってあったりする。
しかも岩盤が非常に固いので、なかなかそれを打ち破るのは至難です。
…簡単には軍事基地を潰せない。
するとアフガニスタンで起こったように、時間が経ってから地下から
兵士が出てきてゲリラ戦が起こってしまう。
泥沼です。
壊滅させるなら核兵器を十から二十くらい撃たないと
無理なのではないでしょうか」
こうした極めてシビアなシナリオも、
全くあり得ない絵空事として一概に排除してしまう訳にはいかない。
そうした危機が語られている局面で、
ひたすら保身の為にのんびり選挙をやろうという発想が異常だ。
衆院選公示日の10月10日は、朝鮮労働党創建記念日。
ミサイル発射の可能性が高い。
そのミサイルショックによる政権支持率のアップを
ひそかに狙っているとも囁かれている。
底抜けの「平和ボケ」だ。