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笹幸恵
2017.9.28 15:02

面白くなってきたなあ

昨晩、民進党が「希望の党」に合流、という

ニュースに接したとき、「ほええええ」と思わずつぶやき、

2009年に当時の民主党が政権交代したときのことを

思い出していました。

あのとき私は選挙をほったらかしにして

パプアニューギニアを旅していました。

帰国してみたら、民主党政権に変わっていて、

ものすごい盛り上がりようだった。

世の中みんな、熱にうかされたように民主党を大歓迎。

ちょっとした浦島太郎気分を味わったものでした。

 

あれから8年。

「名を捨てて実を取る」

前原代表のこの言葉に、忸怩たる思いが溢れているように感じます。

なんだか隔世の感があるなあ。

でも多くの人は唐突すぎて「なんだそりゃ」と思ったはず。

昨日まで、私は次々と離党していく民進党議員を苦々しく見ていました。

なんだ、みんな勢いのあるほうについていくだけか。

ところが突然、民進党そのものが「希望の党」と合流(連携?)。

うーーん。しかし。節操がないといえばそれまでだけど、

安倍政権を倒すためには「これしかない」のかもしれません。

文字通り名を捨てて実を取る。
その覚悟がある意味すごい。執念です。

 

自民党か、希望の党か。

政権選択の選挙になってきました。

安倍政権打倒のためには、ともかく節操があろうがなかろうが

「希望の党」に期待するしかありません。

モリカケ問題も、山口提灯ジャーナリストのレイプ疑惑もみ消し事件も、

権力に近い人だけが守られる「公私混同・お友達優遇内閣」。

そして籠池氏のような人はトカゲの尻尾よろしく切られるだけ。

トランプと信頼関係があるとかってテレビで流れていたけれど、

冗談じゃない。こちらはアメリカに気に入られようと

自分の尻尾を振っているだけに過ぎません。

 

とはいえ、正直なところ、今は「希望の党」の勢いに

諸手を挙げて賛成する気にもなれません。

どうしても8年前の民主党フィーバーを思い出してしまう。

過信は禁物。

そもそも政権与党を本気で目指すのだとしたら、

小池都知事は衆院選に出馬するでしょう。

すると都知事の仕事は投げ出すんかい、という話になるし、

選挙対策で手を結んだ烏合の衆がどう舵取りをしていくのか未知数です。

安倍政権を倒す可能性は高まってきても、

私たちは「その後」にものすごいリスクを背負うことになるわけです。

 

もっとも、その意味でも、今後の「国のあり方」を

決定づける選挙になることでしょう。

政策を含め、彼らの動きを注視していきたいと思います。

なんだか面白くなってきたなあ。ひょっとすると、
これは後世の教科書に載る出来事になるかもしれない。


ところで枝野さんはどうするのかなあ。

共産党との共闘も考えていたから、「希望の党」ではなく

今回は無所属で出馬するのかしら。

 

(ちなみに投票日の22日、また一つ年を重ねますーー絵文字:笑顔

 

 

 

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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