昨日の衆議院解散の理由表明においては、とうとう憲法改正については触れられることがなかった。
またか、とつぶやいてしまった。
2014年、アベノミクスを掲げ、国論を二分した安保法制については大々的に争点化することなく、翌年安保法制を通過させた。
今回は、全国紙の一面に「自民、公約に9条改正」が躍った。
そもそも、憲法を公約に掲げれば、それだけで選挙戦が厳しくなる時代があったにもかかわらず、真正面から憲法改正、しかももっとも論争不可避的な9条?!真正面から勝負にきていいじゃないか、と考えていた。どんな形でも争点化し、議論されることは重要である。安倍加憲の欺瞞もあぶりだせる。
しかし、やはり、記者会見ではまったく触れられなかった。
今後、自民党の公約に改憲がどれくらいの優先順位とボリュームで語られるか、注視しよう。
さて、とにかく一文字でも改憲したい現政権周りの人々からすれば、選挙で大々的に憲法を争点にすることは避けたい。彼らに中長期的ビジョンや法論理的な整合性及び誠実性など求めるのは野暮である。「欲望充足改憲」には理性も論理もない。
だからこそ、一番「改憲しやすい」項目を探る。国益や国家観など関係ない。すると、法的な変更をまったく加えないのと同程度に無意味な9条加憲、教育無償化や緊急事態の任期延長、合区解消など、テクニカルかつ、本来的に不必要な改憲項目が浮上する。
不必要な改憲?
どういうことだろうか。
法律を制定するときには、その法律を制定する必要性が求められる。これを「立法事実」という。この「立法事実」がなければ、その法律を制定する必要性が満たされないので、立法権んの濫用となる。たとえば、共謀罪では、「立法事実」としてテロ対策を掲げ、新たに共謀罪を制定しないと対処できない3事例というのを法務省が出してきた。しかし、これらは既存の法律ですべて対処できるか、より自由を制限しない方法での対処が可能であるから、立法事実がなかった。すると、突如立法事実がテロ対策から、「条約の批准」に変わった。これ自体極めて恣意的だが、条約の批准についても共謀罪の制定は必要条件ではないのだから、立法事実はない。従って、包括的な共謀罪は立法の必要性がなかったのである。
同様に、憲法改正をするには、立法事実ならぬ「憲法事実」が必要である。憲法改正の必要性だ。
本来以下のような思考プロセスを踏まねばならない。
1.法律の制定
政治部門の政策表現ツールの最たるものが立法、法律である。自衛隊を創設したければ自衛隊法、集団的自衛権行使をしたいなら安保法制(10法の改正+1新法)といった具合に、法律の制定や改正によって、政策を表現し、これを執行機関たる行政権が執行する。
2.次に、ここで、この法律の制定及び改正が憲法に抵触しないかが考慮される。
憲法への抵触が考えられる場合
(1)憲法解釈の変更で対処できないか
がまず問われることになる。憲法も法であるから、もちろん解釈が可能なので、合憲的な解釈の幅の中で当該政策が許容できるかが問われる。これが、憲法規範の解釈を越えてしまう場合は、
(2)憲法改正の手続きによる
ということになる。
ちなみに、合憲的な憲法解釈の枠を超えている、つまり、これ以上の解釈変更は憲法を改正しない限り違憲になってしまうにもかかわらず、憲法解釈で対処することを「解釈改憲」という。これは、本来憲法改正手続きを要する、すなわち、憲法をつくった我々国民の国民投票によらねばならないところを、解釈で裏口入学してしまうものであり、ご法度である。
この意味で、9条の「戦力不保持」「交戦権否認」からすればおよそ認められるはずがなかった自衛隊の創設=自衛隊法の制定を憲法改正なしに行ったことは、果たして憲法解釈の範囲内だったのか、範囲外だったのか。私はここは一回目の解釈改憲(ご法度)であり、本来はここで憲法改正手続きを経るべきであったと考える。
以上から私が言いたいのは、まずは政治部門が何かをしたいときは、「法律でできないか」が全力で探られるべきである。教育の無償化、緊急事態における議員の任期延長、これらは法律で可能ではないのか。そうであれば、憲法事実がないのであるから、憲法改正の必要はない。
一方で、自衛隊については、まさに憲法事実が存在する。にもかかわらず、9条2項に形式的にも実質的にもまったく触れず、従前の政府解釈を「1ミリも動かさない」改憲など、無意味どころか、戦力不保持と交戦権の否認に対してつき続けてきた嘘を固定化する意味で有害ですらある。
法律マターを憲法改正で論じ(教育無償化等)、本質的に憲法改正が必要な問題(9条)に対しては真正面から向き合わない。
この倒錯感と欺瞞は、圧倒的に憲法改正の「作法」を欠くのである。改正すること自体を自己目的化して憲法改正を語ってはならない。このような思考プロセスと、描く国家ビジョン及び通底する哲学をもたない改憲論議は、「作法」を欠くものとして退けられなければならない。
今回の選挙は、改憲の中身以前の「論じ方」についての現政権のマナー違反も、投票行動に反映させなければならない。
そのためにも、10月8日のゴー宣道場で、是非作法から議論しよう。
「真の憲法改正とは何か?」
平成29年10月8日(日)午後2時 から
『人事労務会館』 にて開催します。
「人事労務会館」
(住所:東京都品川区大崎2-4-3 )は、
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線
『大崎駅』 の 北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。
毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。
人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )
詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。
「第66回・ゴー宣道場」のテーマは
『真の憲法改正とは何か?』とする。
前回、井上達夫氏と枝野幸男氏を招待し、激論を交わして
いただいたが、そもそも政界においては、自衛隊は合憲で
あるという事が分かった。
ならば、安倍政権の自衛隊明記の加憲論の意味などない
ということになる。
安倍政権は今も違憲状態の自衛隊に、予算をつけている
ことになる。
やはり、真の憲法改正について、議論しておかなければ、
欺瞞と倒錯の中で北朝鮮との戦争が始まるかもしれない。
10月8日は議論の主軸を倉持麟太郎氏に担ってもらう。
倉持氏は全国各地の都市で、憲法の勉強会を開いている。
その実力を発揮してもらうために、今度の「ゴー宣道場」
において、まず30分の基調講演をしてもらいたい。
それをベースに議論を進めようと思う。
憲法改正がなぜ必要なのか?
どの条文を変える必要があるのか?
エセ保守の憲法改正のスローガンが本気ではなかったと
いうことが判明した今、我々「ゴー宣道場」が真剣に
立ち向かわねば、日本は手遅れの国になってしまう。
参加申し込みの締め切りは9月27日(水曜)である。
弛緩したこの日本を洗濯しなければならない。
奮って応募してくれ!
当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。
参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」、もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)を
クリックして、申し込みページにお進み下さい
入力必須項目にご記入の上、お申し込み下さい
お申し込み後、記入されたメールアドレス宛に「申し込み確認メール」が届きますので、
ご記入内容に間違いがないか、よくご確認下さい。
※「申し込み確認メール」が届かない方は、以下のような原因が考えられます。
・迷惑メール対策サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている
・着信拒否サービスを利用していて、「ゴー宣道場」からのメールが着信拒否の対象となっている
・ドメイン指定受信を利用していて、「gosen-dojo.com」のドメインが指定されていない
・セキュリティソフトやメールソフトで迷惑メール対策をしていて、 「ゴー宣道場」からのメールが迷惑メールと判定されている
「reply@gosen-dojo.com」からのメールを受信できるよう再設定をお願い致します。
「申し込み確認メール」が届かない場合、当選メールも届かない可能性がありますので、
ご注意ください
申し込み〆切後、当選された方にのみ「当選メール」を送らせて頂きます。
当選された方は、道場当日、
その「当選メール」をプリントアウトの上、会場までご持参下さい。
プリントアウトができない方は、当選メールの受信が確認できるもの
(携帯電話、タブレット等)をお持ちの上、ご来場ください。
応募〆切 は 平成29年9/27(水) です。
当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい
皆様からの多数のご応募、お待ちしております