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小林よしのり
2017.5.12 02:11日々の出来事

共謀罪でコミケの表現が委縮する


共謀罪の適用範囲に著作権法が含まれているのが、

まったく理解できない。

コミケの二次創作がテロになるってどういうことだ?

 

捜査当局がパロディーや二次創作を著作権法違反と判断

すれば、コミケの作家たちは「組織的犯罪集団」と見な

され、「共謀罪」で逮捕される可能性がある。

 

政府は「一般国民は対象にならない」と繰り返すが、

著作権法に触れた者は「一般国民」ではない、犯罪者だと

見做される可能性があり、コミケに参加する作家たちも

監視対象になるかもしれない。

 

京都大の高山佳奈子教授は「著作権法は、知的財産権侵害を

漏れなく取り締まりたい当局側の意向の巻き添えを食った」

と言っている。

 

この著作権法の長期化・厳罰化も、TPPのときに、

アメリカからの要請としてあったはずで、アメリカに言わ

れてルール変更している疑いがある。

 

コミケでの二次表現も日本の「表現の自由」の範囲が大きい

ことの証左であり、このような「公共性」の範囲の広さは

日本の素晴らしいところでもある。

愛国者ならば、保守ならば、こういう日本の文化こそを

守るべきなのに、安倍政権・公明党・維新の会は、

共謀罪を強引に成立させようとしている。

 

彼らは保守ではない。

日本の「公共性」を中国のように、ロシアのように、

北朝鮮のように狭めたいのだ。

言論を委縮させたい、表現を委縮させたい、そして

「公」を狭めたい、それが日本の劣化した保守の願望

である。

 

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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