共謀罪について、あまりにいい加減な言説が飛び交っているので、釘を刺したい。
櫻井よしこが、4月13日付けのブログで
「佐藤氏は、現行法では無理だと断言する。「私がテロリスト集団の一員だと仮定します。仲間が刑務所にぶち込まれた。救い出したい。そこで一般人を人質に取って、刑務所の仲間と交換しようと考えた。今の法律では、テロリストたちがそんな計画を立てても、手を出せない。彼らが人質を取るために武器を購入しても捕まえられない。武器を携行して狙った人のいる家の近くまで行っても逮捕できないのです。なぜって、まだ犯行に及んでいませんから」」
「日本国の法律では、犯人たちが武器を持って狙った家に侵入した段階ではじめて、逮捕できるというのだ。しかしそれでは遅すぎる。人質を救うこと自体、どれだけ大変なことか。犠牲者がでる危険性も十分にある。だが日本の法律は、基本的に犯行後に対する処罰であり、本来守れるものも守れない。」
さらに桜井よしこは続ける
「佐藤氏は別の事例を語った。
「テロリストが水源に毒を入れて多くの人を殺害し、社会に混乱を起こそうと計画したと仮定します。現行法では計画を立てても、毒を購入しても逮捕できません。毒を持って水源地に行っても何もできません。現行法で逮捕できるのは、彼らが水源に毒を投げ入れた瞬間なのです」
水源はどうなるのか。環境は汚染され、人々は死に追いやられる。そんな事態が予測されても、事件が起きるまで取り締まれない現行法で万全なはずはないだろう。
「テロ等準備罪の下では、犯人たちが人質を取るための武器を買ったり、水源地を汚染する毒を入手した段階で逮捕、取り調べができるようになります。テロ等準備罪が現行法の重大な穴をふさぐ機能を果たすのです」と、佐藤氏。
96%の国々が締結している条約を日本が批准すること、そのための法整備を進めることが、なぜ、受け入れられないのか。朝日も民進党も反対のための反対はやめるべきだ。」
これはすべて嘘だ。まさにオルタナティブファクト。しかも、たかだかジャーナリストもどきと、ひげのおじさんの指摘である。櫻井よしこが依拠する先として佐藤正久を選んだという人選も、幼児に証言台に立たせるようなものだ。