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小林よしのり
2017.4.27 14:30日々の出来事

共謀罪の危険は取り調べの可視化では防げない


明日は金曜日だ。その深夜、日が変わった土曜の深夜から

「朝まで生テレビ」がある。

したがって今夜は遅くまで起きてないとダメだ。

なのにもう眠い。

 

共謀罪に反対するジャーナリストの記者会見に出て、

昼めし食って帰宅したらもう5時過ぎていた。

それから『よしりん辻説法』のペン入れを始めたが、

集中して描けない。さっぱり進まない。

 

先ほど「報道ステーション」に記者会見の模様が映って

いた。

あの会場に、番組の小川アナウンサーが来ていた。

やっぱり綺麗な人だった。

 

維新の会は「取り調べの可視化」を受け入れれば共謀罪に

賛成するようだ。

オウム真理教だって、初めから「組織的犯罪集団」だった

わけではない。

一部が変容したことを、どうやって知り、どうやって

共謀罪を適用するのか?

 

まあ、国内でオウムのようなテロ組織はもう作れる状況

にはない。

あれは「信教の自由」という憲法が保障した宗教の過保護

が原因で、育ったテロ集団だった。

公明党が共謀罪に賛成するのも、まったく変だ。

 

権力と戦う組織の代表が「天誅」と宣言すれば、組織が

変容したと見做すことだって可能だ。

その「内心」を探るために盗聴が始まってしまうかも

しれない。

 

さらに、そのための「計画」を立て、「準備行為」に

向かっている段階で、家宅捜索が行われたら、わしの

家にはオウム対策でナイフや警棒やスプレーなどの

武器がいっぱいある。

そこで3要件が揃って逮捕されるじゃないか。

 

取り調べの可視化なんて、逮捕されたあとの苦痛と、

冤罪の不愉快さと、社会の偏見には対処できない。

そう考えたら、二度と「天誅」なんて言葉は使わない。

言論が委縮するということだ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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