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笹幸恵
2017.4.23 14:18

アベポチさんの自己採点

本日付の読売新聞に、有識者会議の座長代理を務めた
御厨貴氏のインタビューが載っていた。

 

最終報告において、

「皇族数の減少に対する対策」の検討を

政府に求めた件について問われると、

 

安倍首相の諮問事項にはなかったが、

手を打たなければならない問題として言及した」という。

 

諮問事項にはなかったということは、

安倍首相は検討しようと思ってはおらず、

対策を取るつもりもないのでは。

 

にもかかわらず、御厨氏はこう言っている。

 

「退位という政治的に大変な問題を担えるのは

長期安定の安倍政権だからだ。

(皇族減少対策という)次の問題も

長期安定政権でなければできない」

 

どこまでアベポチ?

いったい何のアピール?

 

外交や経済を扱っているのではない。

最も重要な「この国のかたち」を考えるとき、

与野党を超えた政治家の良心があれば、

権威に対する謙虚さが権力者にあれば、

自ずと行き着く道は決まっていくだろうに。

 

そもそも安倍首相がゴリゴリの男系固執派で

陛下の思いをことごとく握りつぶしているというのに、

「長期安定の安倍政権だからできる」とは、

ブラックジョークとしか思えない。

 

もっとビックリしたのは、皇族減少対策の

具体策を聞かれたときの発言。

 

「女性宮家創設とともに男性皇族をどうするのかも

議論しなければならない。

旧宮家の皇籍復帰も議論の対象だろう」

 

まだそんな話してんの???

今年1月の衆院予算委員会で、

安倍首相は細野豪志議員の質問に対し、

こう答えている。

「総理になる前だが(旧宮家皇籍復帰を)一つの選択肢として

あり得るのではないかと考えていた

 

すでに過去形。

 

「対象者すべてから拒否されることもありうる」とも。

 

対象者なんか本当はいないって

わかってるからこその発言ではないか。

 

にもかかわらず、御厨氏、

有識者会議の最終報告を自己採点すると、

1月の論点整理も含めて80点はある」

だって。

 

ブラックジョークよりタチわるい。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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