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高森明勅
2017.4.23 21:00

奇妙な「内奏」

安倍首相の動静を見ると、
4月21日午前9時52分に皇居に参上し、
内奏に及んでいる。

内奏とは、首相や閣僚が所管事項、
衆参議長が審議経過などについて内々に
天皇にご報告、
ご説明すること。

事務次官、警察庁長官、知事などについては
御進講」「御説明」「御報告」などと分類。

同日、午後5時34分から6時28分迄、
天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議。

ここで安倍氏はその最終報告書を受け取っている。

その後、公邸に戻った。

翌日もスポーツジムで汗を流した他は公邸にとどまった。

奇妙ではないか。

21日の「内奏」は何だったのか。

タイミングからして、
有識者会議の最終報告についての
内奏としか考えられない。

しかし、正式な報告書が提出されるより前だ。

これは普通に考えると、かなり非常識な行動ではないか。

正式な報告もないのに、
勝手に天皇陛下にご報告したことになるからだ。

それは何より陛下に対して非礼。

更に有識者会議もコケにしている。

それとも、正式な報告書が提出されて内奏すると、
憲法の国政権能否定に抵触するとでも。

だったら、これまで普通に行われて来た内奏自体が、
問題視されるだろう。

不思議な行動だ。

それとも安倍氏らしいと言うべきか。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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