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高森明勅
2017.4.16 21:00

皇位の安定的な継承の為に

有識者会議の最終報告案の概要。

その締め括りにこうある。

今回、天皇陛下の譲位が実現され、
皇太子徳仁親王殿下が新たな天皇に即位されることになれば、
皇族数の減少に対してどのような対策を講じるかは
一層先延ばしの
できない課題となってくるものと考えられる。
内親王殿下および女王殿下は7方いらっしゃるが、
天皇および皇族以外の男性と婚姻された場合、
皇族の身分を失うこととなり、
将来、
悠仁親王殿下と同世代の皇族がお1人も
いらっしゃらなくなること
も予想される。
…したがって、
国民が期待する象徴天皇の役割が十全に果たされ、
皇室のご活動が維持されていくためには、
皇族数の減少に対する対策について速やかに
検討を行うことが必要
であり、今後、政府を始め、
国民各界各層において議論が深められていくことを期待する」と。

先に発表された国会の合意(議論のとりまとめ)にはこうあった。

安定的な皇位継承を確保するための
女性宮家の創設等については、
政府において
…速やかに検討すべきとの点において
各党・
各会派の共通認識に至っていた」と。

どちらも正論だ
(但し、政党なら政府に委ねるだけでなく、
自ら皇室典範の改正案を用意すべきだ)。

ご譲位の為の法整備の次は、
皇位の安定的な継承の為に必要な法的措置の検討に、
直ちに着手すべきだ。

タイムリミットは来年の年末に予定されている
天皇陛下のご譲位の
日。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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