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切通理作
2017.2.8 22:38

同テーマの連投です

 

 それにしても、名前を出せない関係者の証言ってのを便利に使う雑誌記事の体質っていうのは、ホントになんとかなりませんかねと思います。

 

 たとえば内部告発をする側の人を守る「個人名を秘匿する」というジャーナリズムの、それ自体はまっとうな権利の保障を、悪用してるんじゃないかなと思うんです。

 

 誰だか言わなくていいんなら、居ない人をデッチあげたって、どうせわからないだろうっていう。

 

 たとえば、編集部とライターの間だけでも「ニュースソースは本当に居るのか」ということは共有して、確認できない場合は載せないぐらいの矜持はあってもいいんじゃないかなって思います。

 ・・・っていうか読者は、そのぐらいのことはしていると思っているから、記事を信用するのではないかと。

 

 笹さんが、御自分の学生時代の論文はコピペだったと謙遜されていましたが、若い時に、「色々調べて考えたけど、本当に自分の視点なのだろうか」と己に問うのは真摯な態度ともいえます。

 

 プロといえる立場の人間が、居もしない証言者に依拠して、嘘の独自性でデッチあげる文章が、学生の論文よりマシだとは、言えないんじゃないかと思います。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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