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切通理作
2017.2.1 01:14

泉美師範の疑念に答えて

  泉美師範の千葉麗子さんに関する疑念、読みました。
  たしかに、僕自身も千葉さんに対して似たようなイメージを持っていました。
  それを忘れてしまいぐらい、血の通った本に感じられたのです。「ネトウヨみたいなイメージを持っていたけれど、俺なんかよりずっと、生活に根差しながら自分自身に問う力を持っている人だ」と思いました。

  実は僕が今回読んだのは、信頼できる倉山満さんから送って頂いたというのが大きいです。『ママは愛国』は倉山さんの全面プロデュースによって出されました。
  そうでなくて、ネトウヨの代表みたいな人から送られてきたら、読まなかったでしょう(送ってくるいわれはありませんが)。

  「なんだ、人間関係によって選んでいるのか」と言われるかもしれませんが、僕は、保守思想といえるものとの最初の本格的な出会いが小林よしのりさんであったということを、幸運だと思っています。
  何が大切で、何が陥りがちな事なのかということを、小林さんのそれまでの経験談を通して、ある程度最初から整理して知ることができました。
  ある世界に興味を持つ時、最初にそういう人と出会えるかどうかというのが、非常に大きいと思います。
  それには、出会う側の資質(臭覚)もあるかもしれませんが、出会おうにも出会えない状況にあることも珍しくありません。

  はじめはよくわからないまま、その世界で権威だったり活躍しているように見えている人の言うことに影響されたり、「いや、これはちょっと待てよ」と気付くというような回り道を、間違いなく、もっともっと経験したのではないかと思うのです。
  ネット環境がない若者時代を過ごした僕の世代からは「こんな人を信用するなんて」と思えるような人物でも、もっと若く出会っていれば、違っていたかもしれません。  

  そんな中でも、人として、社会人として、高みを目指すというのはどういうことなのかという問いを手放さないでいれば、変わっていくことが出来ると思います。
  少なくとも僕は今回の本を読んで「自分が同じ立場だったことを考えても、ここまで自分の血肉として、物事を考えることが出来る人は尊敬出来るな」と思い、千葉さんに対する見方が変わりました。 
 
  本日、倉山満さんの動画番組の収録で、千葉麗子さん本人とお会いする予定です。
  司会進行は倉山さんなので状況次第ですが、女系天皇容認なのかどうかも、訊いてみたいとは思います。
  ただし、それをただちに踏み絵として迫ることはしたくありません(もちろん、泉美師範がそれを求めているわけではないと思ってます)。
  それよりも、こちらの考えをどれだけ伝えることが出来るのかが大事かと。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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