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切通理作
2017.1.28 14:56

トランプが目覚めさせるもの


 朝日新聞の投書欄に、トランプのおかげで、日本がTPPに参加せずに済みそうだという事で、農業従事者からの感謝の声が載っていましたが、素直にうなづかされるものでした。

 ツイッターでの発言が問題になっているようですが、マスコミを影から操って黙らせようとする安倍政権より数倍マシに思えます。それに、こそこそしているより、誰の目にもわかる要求が白日のもとにさらされる方が、日本を含め各国の人間にとって、自分たちの国がいま置かれている状況について綺麗事抜きで認識できるのではないでしょうか。


 僕はトランプが、世界中の人々にとって、健全なナショナリズム発揮できるいい敵役になってくれるのではないかと思っています。


 二国間交渉で、理不尽なことを言われたり、ふっかけられたりしたら、アメリカの相手国の国民はみんな怒りでひとつにまとまれるのではないでしょうか。


 二国の間の中での駆け引きや損得がハッキリ白日のもとにさらされるトランプのやり方の方が、原爆が天から降ってきたなんて言うオバマを相手にするより数倍も健全です。


 平和やグローバズムの名のもとに、主語なき自国民の殺戮になすすべもない世の中より、世界のどの国の人々も、自分の国のことをまず考えられるようになれる世の中の方がいいと思います。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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