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高森明勅
2017.1.16 23:00

馬鹿の底が抜けていた自民党改憲案

天皇陛下のご譲位を巡り、政府の「馬鹿の底」が抜けているような、
迷走が続いている。

しかし考えてみると、自民党の馬鹿の底は
とっくに抜けていたのかも知れない。

平成24年に自民党が纏めた憲法改正草案を眺めると、
改めて強くそう感じる。

取り分け、これまでも様々な場面で批判して来た
第99条(
憲法尊重擁護義務)の改正案の酷さだ。

現行条文は次の通り。

天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、
この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」
自民党改憲案ではこの条文を2項に分かち、
その第1項に「
全て国民は、この憲法を尊重しなければならない」と、
現行憲法にはない「国民」の憲法尊重義務を、“先ず”規定する。

これは、大日本帝国憲法の制定にあたった伊藤博文も驚くだろう。

何しろ
「抑(そもそも)憲法ヲ創設スルノ精神ハ第1(は)君権
君主の権力)ヲ制限シ、第2(は)臣民(国民)ノ権利ヲ
保護スルニアリ」(『枢密院会議議事録』)

と強調していたのだから。

更に、第2項はこうなっている。

国会議員、国務大臣、裁判官その他の公務員は、
この憲法を擁護する義務を負う」と。

国務大臣と国会議員の順序を変更している点
よりも、
「天皇又は摂政」をゴッソリ削除している事実に驚く。

何故わざわざ削除したのか。

理由は2つしか考えられないだろう。

1つは、天皇又は摂政が憲法を「擁護」しなくても、
実質的には大した支障はない、と見くびったか。
それとも、
改めて憲法に規定しなくても、天皇又は摂政が
憲法を逸脱した行動をするなんてことは、端から“
出来ない”
に決まっている、とタカを括っているか。

それ以外に理由を思いつかない。

だが天皇は勿論、強固な「主体性」を持っておられる
その辺の政治家どもが束になっても足元にも及ばない位の)。

仮に天皇が憲法上の「義務」は無くなったのだから
わざわざ削除するというのは、そういう意味になる)と、
全ての国事行為を停止されたらどうなるか。

国会が召集出来なくなる。

法律も政令も条約も公布できなくなる
公布できなければ勿論、法的効力は持ち得ない)。

内閣総理大臣も最高裁長官も任命されなくなる。

閣僚や大使・公使も認証されなくなる等々。

立法・司法・行政、内政・外交あらゆる国家の中枢的活動が
一斉に麻痺する。

そうなれば当然、経済的にもとてつもない悪影響が広がるだろう。

自民党は、わが国がそのような事
態に陥っても平気と判断したのか。

それとも、天皇という存在の“重さ”をまるで理解出来ず、
またご自身の主体性もないと、
舐めきっているのか。

今、政府が我々の目の前で、
信じられないような迷走ぶりを見せているのも、
根っこは同じだろう。

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「大御心か?権力か?」

平成29年2月12日(日)午後1時 から
『人事労務会館』 にて開催します。

「人事労務会館」
(住所:東京都品川区大崎2-4-3 )は、
JR山手線・埼京線・湘南新宿ライン・りんかい線
『大崎駅』 の 北改札口 を出て左へ、
「西口」 側の左階段を降りて、徒歩3分です。

毎回、会場の場所が分からず迷われる方が、多くいらっしゃいます。

人事労務会館のHPにて、場所をよくご確認の上、ご来場下さい絵文字:重要
(HP掲載の、駅から会場までの地図を印刷し、持参されることをオススメします )

詳しくは、 “ こちら ” でどうぞ。

212日(日曜)の「ゴー宣道場」は、

『大御心か?権力か?』と題して、

「生前退位(譲位)」の議論をさらに盛り上げます。

 

ゲストに民進党の細野豪志議員山尾志桜里議員

迎え、大御心に沿う譲位を実現する方法を話し合います。

 

現在、民進党と共産党が譲位は「皇室典範改正」によるべき

と主張しています。

王道を歩むなら党派性は関係ない!

頭山満のように、わしは人格で評価するつもりです。

 

民進党の党勢の復活も、「尊皇心こそが真正保守」という旗を

掲げることにあると、わしは思っています。

細野議員山尾議員の人柄と覚悟を、「ゴー宣道場」に

参加してぜひ知ってほしい。

 

大御心を踏みにじり、権力を盤石にすることの危険性を、

「ゴー宣道場」で大いに議論しましょう。

応募締め切りは21日(水曜)です。

当日、道場の入場料は、お一人様1000円です。


参加ご希望の方は、このweb上の申し込みフォームから申し込み可能です
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上 ↑ のメニュー「道場参加申し込み」もしくは下 ↓ の申し込みフォームバナー(画像)
クリックして、申し込みページにお進み下さい絵文字:よろしくお願いします
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プリントアウトができない方は、当選メールの受信が確認できるもの
(携帯電話、タブレット等)をお持ちの上、ご来場ください。

 道場参加申し込みフォーム

応募〆切 は 平成29年2/1(水) です。

当選通知の送付は、応募〆切後になりますので、しばらくお待ち下さい絵文字:よろしくお願いします

皆様からの多数のご応募、お待ちしております絵文字:重要絵文字:晴れ


高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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