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小林よしのり
2017.1.5 21:27日々の出来事

トランプの考えと近いかもしれない


昨晩の報道番組はどのチャンネルも経済界の人物が

パーティーを開いて、今年の景気の予想をしていた。

トランプが不確定要素だと誰もかれも言っていて、

馬鹿でも言える予想なのだ。

 

株価が2万円台になるという者と、19000円台で

維持されるという者が議論していた。

毎年毎年、この光景である。

株を買っていないわしには何も関係がない。

 

中間層が崩壊しているから個人消費が落ち込んでいる

ことと、スマホの普及で娯楽はタダで楽しむものという

観念が浸透したこと、これがわしにとって一番の損失

である。

 

つまりわしにとっては、新自由主義とイノベーションが

不都合なのだ。

 

資本主義は自分の尻尾を食い続ける蛇みたいなもので、

イノベーションが雇用を奪い、共同体を破壊し、将来の

不安リスクを高め、アニマルスピリットを奪い、

投資を委縮させる循環に陥っていく。

 

朝日新聞が経済成長神話を疑えと書いたら、経済成長

なしに貧困者を救えるかと批判が殺到したそうだ。

貧困層は救えるでしょう。

分配を変えればいいだけだから。

 

国内に雇用を生み出さず、賃金をグローバルに下げて

いく多国籍企業に甘い政策を取ってもしょうがない。

トランプもそう考えているのだろうし、考えなければ、

中間選挙に勝てないだろう。

 

ここは朝日新聞とは違うところだが、デフレのときは

公共投資しかないし、緊縮財政はよろしくない。

これもトランプと同じになるな。

ただし公共投資は国家ビジョンを総合的に考えてやら

ないと、無駄なハコモノばかりになってしまう。

 

経済成長が必要だからと、国家が市場に従属する経済

システムを取り続けることがダメなのだ。

保護主義は必要である。

グローバリズムではなく、インターナショナリズムで。

これもトランプと同じ考えかもしれない。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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