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高森明勅
2016.10.28 03:31

特措法シフトのヒアリング

「生前退位」を巡る有識者会議のヒアリング対象となる
16人が発表された。

その人選を見ると、有識者会議の方向性が分かる。

天皇陛下のご譲位そのものに頑固に反対している人物が
何人も含ま
れている。

その他は、ご譲位に肯定的でも一代限りの特措法に傾く。

このメンバーで真正面から皇室典範の改正を主張している人物は、
果たしているのか。

更に本来ならこの機会に、長年の懸案だった皇室自体の存続の為の
典範改正も、
避けて通るべきではない。

だが、このメンバーの中に、その方面の切実な危機感を持っている
人物は、
どのくらいいるのか。

譲位反対論者に発言の機会を与えて“ガス抜き”を図りつつ、
一方で特措法論者の発言を次々に公表して、その線で世論を
宥(
なだ)めようとしている。

そんな底意が丸見えの人選だ。

なお『朝日新聞』(10月28日付)
以下のような私のコメントが載った。

譲位を一代限りとするか制度化するかだけではなく、
皇室制度全体を見直し、皇族減少に関する対策をたてなければ
ならない」

政府は有識者会議の論点に『皇室の安定的な存続』
盛り込むべきで、誠実に検討していく必要がある」

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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