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小林よしのり
2016.10.18 04:54日々の出来事

眞子さま横浜デートで見えた日本の未来


「週刊女性」が眞子さまの横浜デートを報じている。

「車内」と書いてあるから彼氏の車かと思ったが、

「電車内」である。

しかも「側衛」という皇室護衛官付き。

ほっとした―――――。

妙な男に騙されてるんじゃなさそうだ。

 

しかし恋愛関係ならば、引き離すわけにはいかない。

あたたかく見守るしかない。

ひょっとしたら結婚ということも考えられる。

 

だが女性宮家の創設を、今回の有識者会議で検討しない

のならば、眞子さまはそもそも自分の人生の見通しを

決めることすらできない。

結婚して、民間人になっていいのかどうかも、

躊躇されるだろう。

恋愛して、結婚したいと思っても、そのときに

女性宮家創設が決まれば、彼氏とは別れねばならない

かもしれない。

眞子さまにとっては、恋愛するにも覚悟がいるのだ。

なぜ将来の運命を決めてあげない?

なんて残酷な仕打ちなんだ?

 

わしは眞子さまが結婚のために民間人になると決断

されたら、反対はしない。

仕方がないではないか。

 

だが、後に残るのは、愛子さま、佳子さま、悠仁さまの

たった3人になる。

安倍晋三が、何が何でも男系男子と言うなら、

愛子さまが皇太子殿下になる道はなく、次に皇籍離脱

するのは佳子さまになる。

 

そして愛子さま、最後に悠仁さまだけが残る。

 

そこに民間人の女性が、ただ「男子を産む機械」として

嫁いで来る可能性はまずない。

その時点で、旧宮家系の男系男子を皇族にと言っても、

まず不可能だ。

かつて「週刊新潮」が調査した結果によると、

現在も残っている旧宮家のうち、男系男子がいるのは

3宮家だけ。

その中の誰も、いまさら皇族になんてなれないという

冷たい反応だった。

 

眞子さまが結婚して民間人になった時点で、皇室は

終焉の時を待つだけだと考えてもいい。

今後30年間は皇太子殿下が不在の年月が過ぎていく。

そして次の天皇陛下と皇太弟が、二人で老いていく

姿を国民は見ているだけだ。

その間に国民は皇室への関心を急速に失っていく

だろう。

 

天皇陛下と皇太弟は、どちらが先に没するかはわからない。

ひょっとしたら悠仁さまは一度も皇太子になることなく、

天皇になるかもしれない。

伴侶もなく、40歳過ぎて、いきなり即位される。

その頃にはもう国民はすっかり皇室のことなど関心もない。

皇室の終わりだ。

 

日本は皇室なき民主主義の時代を迎える。

そして喝采と共に権威と権力を一身に纏う首相が誕生する。

独裁制の出現である。

 

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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