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切通理作
2016.10.5 00:52

人の気持ちがわからないというのが、一番の問題

小林さんのブログに、衣緒菜さんが『昭和天皇論』を読んで泣いたと言っていた・・・とありましたが、より正確には、読んだ時に泣いたと言っていただけでなく、その場(収録中)でも、本で紹介された天皇の「お気持ち」を思い出して涙を流していたので、僕はビックリしました。

「そ、そこまで感情移入しているのか?」と。
http://www.nicovideo.jp/watch/1475223957

僕はすぐ横に居たので、彼女の顔が涙に濡れているのがわかりました。

 

その収録後、小林さんのブログを読んで「ありがとうございます。あの後、天皇陛下に対して『感情移入』してしまったことがいけないことなのかもと不安になってたので安心しました」と衣緒菜さんは言っていました。

 

畏れ多くも、天皇陛下の気持ちを考える・・・などということはタブーなのかもしれないという不安が、若い彼女にもあるのでしょう。

 

先日日曜日に行われた次回の道場打合せの席でも「人の気持ちがわからないというのが、一番の問題」だと小林さんはおっしゃっていました。

 

しかし、そういう人間ほど、天皇の気持ちは考えず、自分の気持ちだけはわかってほしいのだから呆れます。

 

保守を名乗る人間にも、リベラルを名乗る人間にも、「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ」ておられる今上陛下が、では、どうすればそうできるのかという事を考え抜かれたお気持ちを考えもせずに、天皇は意志など持たず、決まった事だけやっていればいいと断言する。それこそが、自分で勝手に考えた天皇像なのですが。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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