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高森明勅
2016.9.11 01:00

「日本は双系社会」という前提知識

女性天皇・女系天皇を巡る判断は
イデオロギーや信念、
信仰の
問題ではない。

初歩的な学問上の知識を前提として身に付けているか、
否かの問題に過ぎない。

それは日本が元々「双系(双方)社会」、ということ。

そんなの高森の勝手な言い分だと決め付ける人がいる。

勿論、そうではない。

例えば次のように。

「古代史学界では、すでに…高森氏の問題提起の数年前から、
成清弘和氏や春名宏昭氏などにより…律令制下の日本では、
当時のシナと異なり、
女帝は男帝となんら変わるところのないものとして日本律令に
規定
されていた』
『日本の律令制では「女帝」
は制度的に位置づけられ、
予定されていた』
として、
女帝の所生子が『親王』(皇位継承候補者)とされる
女系の容認)と見なし、『双方制』という親族組織に
大きく規定されるものであったという見解が複数
の研究者によって
支持されてきてをり、
これが徐々に共通見解になりつつある。

この前提には、文化人類学の家族・親族論を採用しつつ、
古代日本の双系的(
双方的)親族組織論を唱えた吉田孝氏をはじめ、
明石一紀氏・
義江明子氏などの研究の展開により、『双方制』
現段階で通説的な位置を占めるにいたつて
ゐることが背景にある」
(神社本庁教学研究所『
皇室法に関する研究資料』所載、
藤田大誠氏論文)と。

高森明勅

昭和32年岡山県生まれ。神道学者、皇室研究者。國學院大學文学部卒。同大学院博士課程単位取得。拓殖大学客員教授、防衛省統合幕僚学校「歴史観・国家観」講座担当、などを歴任。
「皇室典範に関する有識者会議」においてヒアリングに応じる。
現在、日本文化総合研究所代表、神道宗教学会理事、國學院大學講師、靖国神社崇敬奉賛会顧問など。
ミス日本コンテストのファイナリスト達に日本の歴史や文化についてレクチャー。
主な著書。『天皇「生前退位」の真実』(幻冬舎新書)『天皇陛下からわたしたちへのおことば』(双葉社)『謎とき「日本」誕生』(ちくま新書)『はじめて読む「日本の神話」』『天皇と民の大嘗祭』(展転社)など。

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