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小林よしのり
2016.9.4 00:58日々の出来事

「こち亀」終了で新たな挑戦に期待


「こち亀」を終了させるとは驚いた。

ペンを持てなくなるまで描くかと思っていた。

毎週連載で200巻までとはよく根気が続いた。

わしのような飽きっぽい者からすれば、人間技ではない。

 

自分の意欲と人気投票、どちらかが崩れたら連載は続かない。

続けたいという意欲があっても、人気投票が悪ければ、

終わらせられる。

人気投票が抜群にあれば、逆に終わらせたいと思っても、

雑誌のためには難しくなる。

 

「こち亀」はもはや国民漫画とまで言われるようになった

から、終わらせるのも、作家・編集者の双方でジレンマが

あっただろう。

 

けれども他に描きたいものがあるなら確かに限界だ。

70歳までならあと10年しかない。

わしもあと10年で何を残すかといつも考える。

案外、80歳まで描いているかもしれないが。

 

『東大一直線』『おぼっちゃまくん』『ゴーマニズム宣言』、

今は『大東亜論』を完結するまで描きたいと思っているが、

まだ足りない。

まったく違うタイプの漫画も描きたい。

 

秋本くん(二人で呼ぶときは「くん」だ)はデビューが

同じ年で、担当編集者も同じだった。

今は集英社の代表取締役になっている。

 

秋本くんが60歳過ぎて新作に挑戦するのは、楽しみだ。

名前でガンガン宣伝してもらえるだろうが、漫画は名前の

権威も、宣伝による洗脳も、全然効かない。

恐ろしすぎる世界だから、今こそ素っ裸で挑戦する最後の

チャンスだろう。

 

なにより60歳過ぎてまだ健康というのが神の恵みだ。

兎と亀に例えたら、わしが兎で秋本くんが亀と思って

いたが、どうやら二人とも長距離マラソンのタイプだった

ようだ。

まだ過去を振り返るのは早い。レースの途中だ。

わしはようやく折り返し地点を回ったと思っている。

お互い、頑張ろうじゃないか。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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