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小林よしのり
2016.8.8 05:41政治

憲法違反の「特別立法」は許されない

政府内で天皇陛下の「生前退位」に「特別立法」で対処する

という案が浮上しているという。

なんと現在の天皇陛下に限って、この一代限り退位を可能に

する法案を作ろうというのだ。

 

よくもこんな姑息な案が浮上するものだ。

政府内にも「日本会議」に影響を受けた国賊議員がいるのだろう。

なんとしても「皇室典範改正」を妨害したいらしい。

典範改正の折に、女性宮家を創設せざるを得なくなることを

恐れているのだ。

 

こういう議員の名前はぜひ公表してほしい。

週刊誌が「天皇に逆らう国賊議員」として公表すれば、

わしが全読者に買えと勧めよう。

国賊議員を落選させる運動を起こすべきだ。

 

そもそも「退位=譲位」を特別立法でしのぐ

という案は、「憲法違反」である!

 

日本国憲法第一章第二条に「皇位は、世襲のものであって、

国会の議決した皇室典範の定めるところにより、

これを継承する」とある。

 

譲位のときは、あくまでも「皇室典範」の条文によって

行われるのが憲法の規定である。

皇室典範に「退位」「譲位」の規定がないのならば、

国会議員は皇室典範を改正するしかない。

典範改正なしに、まったく恣意的に「特別立法」でしのぐ

という手法は、憲法違反であり、皇室典範を形骸化する

ことになる。

典範規定なんてどうにでも無視していいとなり、ことある

ごとに「特別立法」を作ってしのげばいいことになるでは

ないか!

 

そもそも天皇陛下が「特別立法」で、自分の「退位」

「譲位」だけで終わらされて満足なさるはずがない。

あくまでも未来の皇室の姿を示してほしいというのが、

「公」的な希望のはずだ。

天皇のご意向通りに典範改正するのが、国民の側からの

感謝の証であろう。

いいかげんに天皇陛下に反逆するのは止めてほしい。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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