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小林よしのり
2016.7.30 00:02メディア

犠牲になった障害者の名前を報じないのはなぜだ?


措置入院という言葉を始めて知った。

「カッコーの巣の上で」は強烈な映画だったが、まさか

今では「人権」という普遍的な価値が強力に育ったから、

電気ショックみたいな治療はしてないだろう。

だが、今でも精神治療は行われているのだった。

 

問題は「人権」という普遍的な価値が強力に育ったために、

危険な人間が猫を被って医者を騙し、あっさり退院して

しまうことだ。

ポケモンGOがそんなに流行っているのなら、危険人物を

把握するソフトとして利用すればいいのでは?

 

もちろん精神疾患のある人が、誰でも危険なわけではない。

危険のない人の「人権」を阻害してはならないし、

昔のように死ぬまで精神病院に監禁しておくようなことが

あったら恐ろしい。

 

今回の大量虐殺の犯人が、措置入院されたことがあったの

なら、精神疾患なのか、危険思想に洗脳された奴なのか、

その判断も難しい。

精神疾患ならば、「殺人罪」に問えるか否かも問題になる。

 

犯行を予告する手紙だけでは罪に問えないらしいが、

19人も殺害した犯人を再び社会に出してほしくはない。

 

そして犯人の優性思想を否定するのならば、犠牲になった

障害者の個人名を公表しなければならない。

犠牲者の名前を公表しないのは、障害者という存在は、

遺族にとっても、社会にとっても、もともといなかった人

だと見做されていることになる。

 

犠牲者の個人名を公表しないのは、殺人鬼の危険思想に

論拠を与えることになるのに、一体どういうつもりなの

だろう?

マスコミもそこをなぜ報じないのか?

 

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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