高森明勅氏の「高森ウィンドウズ」の「江戸時代像の転換」
を見て、1649年の慶安の御触書がどこかの教訓書だった
ものを明治になって何やら正式な文書に入れてしまった
ものだから、今に至る江戸時代の暗黒史観に繋がっている
という説が面白かった。
実際の江戸時代の百姓に至るまでの生活の明るさがどんな
ものだったか具体的な映像で見てみたいものだ。
そしてそれならば鎖国しても日本は内需でやっていける国
だということになる。
だが吉原の女郎が東北から身売りされてきたというのも
事実であり、昭和に入っても貧困農家の娘は女衒に買われて
いたのも事実である。
マルクス主義的階級史観による歴史観が偏り過ぎているのは
分かるが、貧困の度合い、明るさの度合いが、分からない。
一方で幕末に訪日した外国人たちは、日本は子供の天国で、
民衆は極端に人が良くて、微笑みの国だったという証言も
ある。
貧困や幸福の観念をどう捉えるかという問題がある。
ネットに依存したオタクにとってみれば、江戸時代は間違い
なく暗黒の時代になってしまうだろう。