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切通理作
2016.7.5 17:57

他山の石とせよ

     高級料理店に入る時には、それなりの作法をわきまえなければならないと、小林さんのご指摘で痛感した次第です。

 実ははずかしながら、自分が粗相をしたそのお店で、僕は先日、京都にある大学に講演に行った際に目撃した、古都にはびこる外国人観光客のマナーを嘆く発言をしていたのですから、まさに汗顔のいたりです。

 貸衣装の店から借りた和服を、バカボンかラッキー教授かというだらけた着こなしで身に付け、路上にだらしなく座る外国人観光客の姿には、正直呆然としてしまいました。
 まさにイミテーションも本物も意味を成さないと言わんばかりの崩壊現象。

 京都はいまや外国人観光客が8割で、ホテルも常にいっぱいで日本人の庶民がなかなか利用できなくなっていると、タクシーの運転手さんが嘆いていました。

 しかし私にとって必要なのは、そんなだらけた外国人観光客を他山の石とすることですね。
 フランス料理店に入っても、ワインの飲み方すら知らない人間が、えらそうに何だと言われても仕方がないのですから。

切通理作

昭和39年、東京都生まれ。和光大学卒業。文化批評、エッセイを主に手がける。
『宮崎駿の<世界>』(ちくま新書)で第24回サントリー学芸賞受賞。著書に『サンタ服を着た女の子ーときめきクリスマス論』(白水社)、『失恋論』(角川学芸出版)、『山田洋次の<世界>』(ちくま新著)、『ポップカルチャー 若者の世紀』(廣済堂出版)、『特撮黙示録』(太田出版)、『ある朝、セカイは死んでいた』(文藝春秋)、『地球はウルトラマンの星』(ソニー・マガジンズ)、『お前がセカイを殺したいなら』(フィルムアート社)、『怪獣使いと少年 ウルトラマンの作家たち』(宝島社)、『本多猪四郎 無冠の巨匠』『怪獣少年の〈復讐〉~70年代怪獣ブームの光と影』(洋泉社)など。

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