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小林よしのり
2016.6.30 15:03日々の出来事

国のために貧困層を無視できない


泉美木蘭さんと高森明勅氏の「だいたい15分でわかる

日本の貧困」が良かった。

年収5万円以下で生活しなければならない失敗国家の

人たちを「絶対的貧困」と言う説明は、なるほどとても

分かりやすい。

 

ケント・ギルバート氏と対談したときも、格差社会の悲惨な

現状をまったく分かってない様子で、説明するのに苦労した。

誰もが自分を基準に考えるし、自分の身近に貧困の実例を

見ることもないから、安易に考えてしまっている。

 

「見えにくい貧困」を把握できるかどうかが人間の感性の

繊細さにつながると思う。

だからわしは曽野綾子氏も文学的感性のない人だなぁと

思ってしまう。

 

ようするに、「世間が狭い人」が多いのだろう。

わし自身が直接、6人に1人の貧困の子供を知らなくても、

福岡の親戚の様子を見ていれば、データを出されたときに、

類推できることはある。

シングルマザーで、二人の子を持つ母親が、子供を塾に行か

せる経済的余裕がないため、頭がいい娘なのに、大学進学を

あきらめさせなければならない実例も知っている。

シングルマザーで子供を育てることは大変だろう。

 

単に気の毒な人がいるという「ヒューマニズム」で語るのは

左翼の人たちだろうが、わしの場合は違う。

貧困層が拡大しすぎて、少子化が止まらないのをこれ以上

無視していたら「国力」がなくなると言っているのだ。

わしの動機は「ナショナリズム」なのである。

国の未来のために、子育てのしやすい社会環境を整えるべき

だと言っているのだ。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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