これまで福澤諭吉の『学問のすすめ』
珍しいだろう。
何しろ、
満たなかった明治時代(
明治13年)に、
識字率100%
事になる。
驚異的な数字だ。
まさに「重版出来!」の連続だったはず。
しかし今日、
冒頭の「
いるだろうか。
かつて小泉信三氏は、同書は「既にその使命を果たした」
評価していたのを自ら撤回し、以下のように断定した。
「(
最も面白い本になつた。
(アテネ文庫『福澤諭吉』
そこで「最も痛切なる現実の必要に応じた」
いくつか引用しよう。
「
照らされ、同じ月を眺め、海を共にし、空気を共にし、
同じき人民なれば、ここに余るものは彼に渡し、彼に余るものは
我に取り、
達し互いにその幸いを祈り、
イギリス・アメリカの軍艦をも恐れず、
人民一人も残らず命を棄(す)
一国の自由独立と申すべきなり」
「西洋の諺(ことわざ)に『愚民の上に苛(から)き政府あり』
こは政府の苛きにあらず、愚民の自ら招く災いなり。
政府あれば、良民の上には良き政府あるの理なり。
日本国においてもこの人民ありてこの政治あるなり」
「独立の気力なき者は必ず人に依頼す、
恐る、
へつらう者はしだいにこれに慣れ、
恥ずべきを恥じず、
屈するのみ。
いかがだろうか。