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笹幸恵
2016.5.17 04:07

小松が燃えてしまった

横須賀にある料亭「小松」が火事で、
建物1棟がほぼ全焼してしまいました。

ここは海軍時代から続く料亭で、
「パイン」と呼ばれて海軍軍人に
親しまれていました。
一時はトラック諸島にも支店を出すほどの人気ぶり。
戦後も、海上自衛官が利用していました。

私は二度、ここを訪れたことがあります。
海軍ファンならヨダレ垂れっぱなしでしょう。
待合室には、あれやこれやの海軍関係の置物や
写真などが展示されています。

「明治38年10月22日、凱旋奉告式後海軍省前ニテ撮影」
山本権兵衛、伊東祐亨、加藤友三郎、山谷他人・・・
判読できるだけでも錚々たる軍人が並んでいます。
日露戦争の凱旋記念写真ですね、きっと。

さらに有名どころが女将に送った書も
掲げられています。

左より、鈴木貫太郎、上村彦之丞、東郷平八郎

山本五十六連合艦隊司令長官もよく訪れていたといいます。
「長官部屋」と名付けられた部屋もありました。

海軍時代の息吹を感じることのできる貴重な場所でした。
おそらくこうした書物なども燃えてしまったんだろうなあ。
残念。
ああ残念。

笹幸恵

昭和49年、神奈川県生まれ。ジャーナリスト。大妻女子大学短期大学部卒業後、出版社の編集記者を経て、平成13年にフリーとなる。国内外の戦争遺跡巡りや、戦場となった地への慰霊巡拝などを続け、大東亜戦争をテーマにした記事や書籍を発表。現在は、戦友会である「全国ソロモン会」常任理事を務める。戦争経験者の講演会を中心とする近現代史研究会(PandA会)主宰。大妻女子大学非常勤講師。國學院大學大学院文学研究科博士前期課程修了(歴史学修士)。著書に『女ひとり玉砕の島を行く』(文藝春秋)、『「白紙召集」で散る-軍属たちのガダルカナル戦記』(新潮社)、『「日本男児」という生き方』(草思社)、『沖縄戦 二十四歳の大隊長』(学研パブリッシング)など。

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