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小林よしのり
2016.4.18 04:20震災・原発問題

破局を覚悟するしかない頻度


東日本大震災からの復興も進まぬ中、今度は熊本大震災の

復興に力を注がねばならない。

 

あの中央構造線の左下に伸びた線上に「川内原発」があり、

右上に伸びた線上に四国の「伊方原発」がある。

当然、南海トラフ大地震もいつ起こってもおかしくないし、

その時は大津波もやってくる。

中央構造線と南海トラフに挟まれた地帯は危険度が恐ろしく

高い。

 

地震や津波の被害だけでも、復興するには巨額の費用と年月が

必要なのだが、これで原発事故を併発したら、放射能汚染された

地域は、復興そのものが不可能になって、東北に続きまたしても

国土の一部を失ってしまうことになる。

一部とはいえ、地元民から見れば「故郷」を失い、国民から

見れば「国土」を失うのだから、これほど悔しいことはない。

 

わしが生きてきた、たった60年間のうちに、まさか東日本で

あれほどの大地震や巨大津波が起きるとは思わなかったし、

原発開始以来、たった40数年でメルトダウンが起こるとは

思わなかった。

その上、東日本大震災からたった5年で、震度6以上が何度も

起こるほどの大地震が熊本で起こるとも思わなかった。

 

南海トラフ大地震も、関東大震災も、わしが生きてるうちに

起こるのだろう。

破局級の大災害に遭遇する確率が異様に高い。

交通事故に会う危険度よりも、地震に会う危険度の方が高い

のではないか?

 

いや、わしが生きるあと20年程度のうちに、南海トラフ、

関東大震災、その二つで済むとは思えない。

阿蘇山大噴火で九州全滅と、富士山大噴火で関東壊滅も

加わるかもしれない。

さらに原発事故で日本列島のあちこちが虫食いのように

人の立ち入りを禁ずる国土喪失区域になる確率も高い。

この国で生きていくためには、仏教的なニヒリズムは必要

なのかもしれないな。

小林よしのり

昭和28年福岡生まれ。漫画家。大学在学中にギャグ漫画『東大一直線』でデビュー。以降、『東大快進撃』『おぼっちゃまくん』などの代表作を発表。平成4年、世界初の思想漫画『ゴーマニズム宣言』を連載開始。『ゴーマニズム宣言』のスペシャル版として『差別論』『戦争論』『台湾論』『沖縄論』『天皇論』などを発表し論争を巻き起こす。
近刊に、『卑怯者の島』『民主主義という病い』『明治日本を作った男たち』『新・堕落論』など。
新しい試みとしてニコニコ動画にて、ブロマガ『小林よしのりライジング』を週1回配信している。
また平成29年から「FLASH」(光文社)にて新連載『よしりん辻説法』、平成30年からは再び「SPA!」(扶桑社)にて『ゴーマニズム宣言』、「小説幻冬」(幻冬舎)にて『おぼっちゃまくん』を連載開始し話題となっている。

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